【アカペラ】Home Freeの演奏がカントリーに聴こえないその理由を考察してみた!


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【※はじめに】

僕はHome Freeと言うアカペラバンド自体は好きです。好きなのですが彼らの演奏はちっともカントリーには聴こえません。Home Free自体は好きなのですが彼らはカントリーミュージックにおいて一番大切なものが欠如しているのです。好きだからこそ彼らの楽曲を聴き何故カントリー風味で歌っている割にカントリーに聴こえないのか考察してみました。

参考:【アカペラ】意義あり!Home Freeの演奏は似非カントリー!



【アメリカにおける黒人の音楽 – ブルース】

これは何と言っても起源は「ブルース」です。
1800年代にアフリカ大陸より奴隷として連れて来られた黒人にとって良く晴れた日の「青い空」は農場で働かされる日の象徴であり憂鬱な日でした。なので彼らは「ブルース(憂鬱な青)」を歌い始めたのです。

そのためブルースで使われるブルーコードと呼ばれる音階も非常に暗いものです。
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ブルースではリズムは「長ー短・長ー短」のシャッフルビートが使われていました。

この黒人特有のハネがポイントになります。


【アメリカにおける黒人の音楽 – リズム&ブルース】

このリズム&ブルースは従来のブルースとブラックゴスペルの融合体と言える音楽です。憂鬱な「青」を歌ったブルースに対し、このリズム&ブルースは人生を謳歌するダンスミュージックでした。

1900年代になるとブルースからはブルーノートの悲しげな暗い音を、ゴスペルからは躍動的なリズムを受け継いだ「リズム&ブルース」が誕生しました。リズムを跳ねるようなゴスペルから受け継いだため従来1拍目と3拍目にあったアクセントが2拍目と4拍目にシフトします。

そのためにスネアへとアクセントは移行し、これはロックの時代まで根強く受け継がれて行く事になります。「バックビート」の起源はリズム&ブルースとも言えるのです。

また16ビートのノリが産まれたのもこの時です。16ビートもリズム&ブルースの大きな1つの特徴としてあげられます。


【白人のカントリーミュージック】

従来の白人の音楽であったフォークが1920年になりラジオの発展でアメリカ全土へと広まります。その結果白人音楽が黒人のブルースやジャズと融合しウエスタン・スウィングと呼ばれるジャンルが産まれました。これがカントリーミュージックです。

さて!ここでHome Freeがカントリーに聴こえない一番の理由がわかりました。
黒人ミュージックの黒人要素を受け継いで居ないのです。Home Freeの演奏には圧倒的に「ハネ」が無いのです。そして16ビートも弱いっていうかコーラスが16ビートのリズムギターの役割を果たせていないのです。歌にもギターにも前打音がまったく無いのも残念です。

ボイスパーカッションも裏にスウィングの色が根強くある事を考えればバスの直後にスネア(強拍)を打つはずですよね。ここにスネアの音が来ない。これが違和感の原因です。

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余談ですがカントリーではベースは1拍目にコードの音3拍目で5度を弾く2ビート・ベースが好まれました。それを考えるとHome Free、ハネが無いだけでなくバックビートも弱くないですか?ベースが最低音で魅せるアレンジが無かったら割と苦しい物があるのではないでしょうか?

そしてカントリーミュージックは1940年には今度はブギウギを取り入れヒルビリーに、そしてロックに発展していくのでした。


【結論】

何故Home Freeがカントリーに聴こえないのか。
それは恐らくカントリーと言うジャンルの裏に根付くリズムの面があまりに軽視されているからではないでしょうか?アメリカ音楽の歴史と向き合ってみると、カントリーミュージックとは黒人と白人音楽の初の融合と言っても過言ではありません。黒人のジャズやブルースのエッセンスを取り入れた白人の音楽であるカントリーミュージック。

それにしてはリズムが寝過ぎなのは言うまでもありません。
恐らくその要因の1つとしてアレンジャーでありバンドのアイドルであるTim Foustがクラシック出身なのもあるのでしょう…。


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