皆さんこの男をご存知でしょうか?
The BeatlesのドラマーRingo Starrです。
彼は間違いなくフィルインの天才なのです。昨日「タムは甘え!」なんて記事を出したばかりだと言うのに「タムの使い方」なんて記事を書くなんてどういうつもりなんだ!と言うお話なのですが実はこのRingo Starrは凄く変わったタムの使い方をしているのです。
参考:【ドラム】本当にテクノ?高橋幸宏さんのフィルが凄まじい!【タムは甘え】
「どったたどんたっどたっど」
小さい「つ」に刮目してください。そうなんです!Ringo Starrのフィルの最大の特徴として彼のフィルは良く跳ねるのです。そんなハネを助長しているのがこの「フロアタム」から始まるフィルインです。通常フィルインってハイタムやスネアドラムから始まりますよね。基本的に奏者から見て左側にある楽器から始まるものです。
それが彼は右から(低音を奏でる楽器から)はじめているのです。
その低音からの高音で彼特有のハネをつくり出しているとも言えます。かなり特殊な例ですが。
「どたたたどたたたどたたびしー」
これとかかなりRingoっぽいフィルインです。シンコペーションしてメロに入っております。いつかのStrawberry Fields Foreverの音源に入っていたフィルインをモチーフにしたものです。「どたたた」と打つ事によって「たどどど」に比べ躍動感を出す事に成功しております。
では何故彼はフロアタムからフィルを打てたのか?
通常ハイハットをつかってエイトビートを刻んでいては右手をつかうフロアタムからのフィルは非常にこんなんです。理由は簡単!Ringo Starrの演奏を聴いてみてください。
「ちんちんちんちきちんちん」って聴こえませんか?そう。ライドシンバルです。右手でハイハットではなくライドを叩きエイトビートを刻んでいたので比較的簡単にフロアタムへと移行できたのでしょう。
「どったたどったどっどどた」
これもフロアタムからですね!フロアタムからスネアに上がる事でハネを出しています。随所に組み込まれた16分休符とフロアタムからスネアへの音程の上昇がハネをうみだす要素です。
しかしながら見てください。この楽譜。
そうなんです。彼のフィルインは凄く特殊なんです。個性的で珍しいのです。Ringo Starrのフィルインと言われたら「こんなかんじでしょ?」と真似が出来るぐらい個性的なんですね。試しに意識的にThe Beatlesの演奏を聴いてみてください。なかなか一般的に良く耳にするようなフィルインって登場しないかと思います。
Ringo Starrのフィルの好みは賛否両論はっきりと割れますが僕は好きです。
敢えて下から始める彼のフィルインには、和声の掟を破りJazzチックな和音が台頭して来た時のような興奮を覚えます。
今までなかったフロアタムからスネアへ上がって行くフィルイン。
The Beatlesが一世を風靡してから何年もたつにも関わらず未だあまりメジャーにはなっておりません。是非そこらへんまで頭を柔らかくして柔軟に自身の演奏に取り入れて行けたらなと思います。
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