僕は大学では第2言語修得について勉強している。自身が小学校5年生から中学校2年生までアメリカカリフォルニア州の現地校に居た事もあり、英語教育に関しては断固たる自分の意見や考えをもっている。上の本は現状私の意見に最も近い大津ゆきお先生の著書であり、僕のバイブルである。僕も1冊購入し持ち歩いているので、今の日本の英語教育に疑問や問題意識を持っている人は是非手に取って見て欲しい。
渡米当初アルファベットすら書けなかった僕に毎日2時間英語を教えてくれたMrs.Jacobsという恩師がいる。彼女は僕が居たPalo-Alto市のE.S.L.当時の現地の言葉で言うとE.L.L.の長も務めていたベテラン教師だった。彼女の授業では毎日Dictation Practice(※)と称して聴き取り試験が行われていたのだが、バレンタインの週に行われていた文章が妙に記憶に残っているので、紹介したい。
※週がわりでDictationする文章は変わっていました。月〜木がPractice、金がTest。先生が与えられたパッセージを2回読み、2回以内に全て聴き取るというもの。金曜日まで毎日授業で反復的に同じパッセージを聴いて、家では宿題で2回ずつ模写することで文章や単語が定着した。人生で一番ためになった英語の授業は間違いなくこれだ。
VALENTINE’S DAY
Nobody knows exactly who St. Valentine was. As a matter of fact, church records show at least two people named St. Valentine. Both of these men were thrown in jail. One went to jail almost 1,700 years ago for performing marriages against the wishes of the Roman Emperor. The other Valentine was thrown in jail for helping some Christians. While in jail, he fell in love with the jailer’s blind daughter. His love for her and his great faith managed to miraculously heal her from her blindness. Before he was taken to his death (it is said that he was beheaded on February 14, 269 A.D.), he signed a farewell message to her, “From your Valentine.” The phrase has been used on his day ever since.
これをすらすら聴き取って居たと思うと当時の僕は思ってより耳が良かったのかも知れない。笑
流石にこのDictation、年度が始まる8月からこの難易度のものがかされるわけではない。渡米1年目や2年目の生徒が学んでいたE.L.L.1では、8月のDictationはきわめて簡単だった。
Getting Up in The Morning
1. Get up!
2. Wash your face!
3. Brush your teeth!
4. Comb your hair!
5. Today is Monday, January first, two-thousand.
こんな感じの簡単な文章から始まる。それが半年で上記のような長文が聴き取れるようになるのだから世話ない。
僕は初等教育で英語教育を義務化するならば朝の10分間の漢字の小テストの代わりにDictationを徹底すべきだとずっと提唱しているぐらいこのDictationは効果的なのである。これについて語ると平気で30分〜1時間は語ってしまうので詳細は後日記事を書く。
Nobody knows exactly who St. Valentine was.
この文章があたまの中に根強く残っていたので思わず記事を書いてしまった。与えられたパッセージをL1に訳してくるのも宿題だったので、読んでくれた方は是非訳してみてほしい。「語学はその言語が話されている国の文化を知らずして修得できない」と言うのもまた僕の持論なのである。
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