最近はサークルでは後輩に何か残せないだろうかと自問自答し色々と試行錯誤した結果ただのおせっかいおじさんになっている僕であるが、後輩の”迷惑”を喜んで被っていくなかで自分が学ばされることも沢山ある。
特になかには「こいつすげーな。」と思わせてくれる後輩も何人か居る。そういう後輩と2人でご飯にいったりするのは非常に面白い。逆に僕の方がいろいろ考えさせられてしまっていることも少なくはない。
そんな中で後輩ならではの純粋な視点から生まれた考え方をいくつか紹介してみたい。
これは凄い。
一手先を行かれた、と思ってしまった。
僕は先輩にフィードバックを求めないやつは論外、もらったフィードバックに対してあからさまに不機嫌な態度をとるやつは問題外だと思っている。目上の人間の意見を聴かずして成長などない。
さらに先輩のフィードバックを鵜呑みにするやつは2流だと思っている。そんなん先輩は神様じゃないんだから当然先輩のフィードバックの中にも有益なものとそうでないものがある。ましてや先輩は神様じゃないのだから先輩が間違っていることもある。それを検証せずに鵜呑みにしてそのまま実践しているようではあまい。
積極的にフィードバックを貰い、もらったフィードバックを元に、自分にとって使えるところだけ積極的に使って行ける後輩こそ1流の後輩であると思っていた。
しかし某後輩は違った。
先輩がAとBができるなら先輩が出来ていないCをやるべきだと言っていた。すげー。その発想まで僕は行き着かなかった。僕はまだまだ浅かった、2流であったようだ。
先輩のフィードバックを生かした仮説検証や鍛錬の結果として先輩に出来なかったことが出来るようになることはある。フィードバックを聴いて先輩を観察していくなかで先輩に勝つためのツールとして、先輩に出来なくって自分に出来る自分の長所を伸ばすのもわかる。
しかし先輩のフィードバックをはなから「この人は何ができるのだろう?」と言う視点で聴くことはちょっと考えもしなかった。人によっては「失礼だ」と怒るかも知れないが非常に面白いと思う。是非それを実践していって欲しいと思う。
これはかなり具体的になってしまって汎用性はないが、先輩が間違っていて後輩が正解であるケースである。
僕は今までサークルでは口を酸っぱくして「パーカスは指揮者であるべき」と言って来たが最近ではその意見を改め、「リズムマシーンとしてのパーカス」と言う2つめの概念も話すようにしている。
指揮者的なパーカスとは言葉のまんま。リードやコーラス、そしてベースを聴きつつみんなが何をやりたいのか把握し拍を微妙にずらしたりフィルで煽ったりしつつバンドの中で曲を支配して曲を作って行く仕事をするパーカスをさす。僕はこっちを目指している。常にアンテナを貼り周りのために周りの意見に自分の意見を入れつつパーカスを打つ。まあわかり易くいってしまえばJAMセッションのドラムのようなものだ。
リズムマシーン的なパーカスも言葉のまんま。
リズムマシーンになりきるのである。1人でしっかりリズムのノリを作り、安定した土台をバンドに提供し続けるパーカスである。
抽象的にはなってしまうが、“指揮者は大工さん家の素材は他のメンバー、リズムマシーンは土台で家を立てるのは他のメンバー”って感じかな?
長くなった。
が、先日後輩にshow me how you burlesqueと言う曲は「パーカスがリズムマシーンであるべきなんですね!」と言われてはっとした。僕は何をやるときも指揮者であることを意識しすぎていた。つまり他のメンバーが何をやりたいかと言うことに常にアンテナを貼りすぎていた。しかしこの曲、おそらく自分の世界にこもって自分が安定した土台をバンドに供給し続ける方がよりよいのかも知れないことに気付いた。
意外にアカペラ生活4年目になった今、後輩から教わることも多い。
ちなみにこれが以前指揮者であることを意識しすぎた状態で演奏したburlesqueである。
更にこれは後輩の発言とは関係ないが、後輩と話すことで自分も勉強する機会になる。
後輩に有益な話をしようと思ったら、後輩の前で格好をつけようとおもったら、知識を蓄えそれを実践するだけの実力も必要になる。頭でっかちではだめだし、そもそもでかい頭すらないのは論外だ。また同じ話をしつづけても飽きられる。常に新しいコンテンツを持っていなければならない。
学校の教師が生徒と共に成長するのと同じで、後輩と話して行く中で先輩もまた成長しないといけないのである。
そんなこんなで、同期が皆居ない中サークルライブのリハーサル等に出向くのは億劫ではあったが後輩との会話を楽しめている。
先輩や同期にはなかった新しい視点での話を聴けるから後輩とのおしゃべりはたまらなく楽しい。
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