「あいつらの演奏はロックなのに情熱的じゃない」
アカペラのオーディションの審査でよく見る言葉です。
好きなバンドはTHE BLUE HEARTSや銀杏BOYZ!
ずっとロックバンドでドラムを叩いてきた僕からしてみれば
この台詞はとんでもなく許せないものなのです!!!
いや!
確かに!
「ロックは魂の叫びである!」
これは認めます。
僕だってそう思って頭を振りながらドラムを叩いてきました。
でも!だからといって
声を荒げれば良いのもではないと思うのです。
ロックだって時に美しく時に優雅に時に爽やかに
表情を移り変えながら進行して行くんです。
今日はそんな記事を書きます。
とある楽曲の進行です。
これめっちゃ美しく無いですか?
▼前半4小節の解説
前半部分は最高音がステイしています。
内声を巧みに操作して曲の進行を作っています。
特にアカペラで言うサードにあたる音。
この半音の進行はカッコいいです。
しかもこの臨時記号の連続と7th。
そこらへんのアカペラ編曲よりオシャレな和音進行です。
盛り上がりを押さえつけているのに
サードでしっかりと動きを出しています。
そして2回目のDは7thにすることで
後半へのきっかけ造りになっています。
▼後半4小節の解説
「G-G-Asus4-A」です。
しっかりとじらしにきています。
これが「G-G-A-A」だったらとんでもなくダサい!
ロックだからといってドミソやドソとは限らんのです。
ここは前半部分に比べ大きく音が全体的に上下します。
まあ誰が見ても分かるようにここでは盛り上がりを作っています。
情熱的に一気に音が上がりますよね!
一番の魅せ場になる「Asus4」では音と音の間隔も開き
もう見るからにここの「Asus4」が美味しいことが分かる作りです。
まぁ種明かしをしてしまうとこの進行は誰もがしる
あのロックの名曲のメロ部分なのです。
3rdギターの音に注意して聴いてみてください。
▼歌詞から解釈
もしも僕がいつか君と
出会い話し合うなら
ちゃんと後半部分で盛り上がっています。
妄想の部分で盛り上がりが来ています。
これが出てくるのは1メロと3メロだけです。
そして1メロの歌い出しと3メロの歌い出しは同じ歌詞です。
愛じゃなくても恋じゃなくても
君を離しはしない
ここでも「離しはしない」ってところで
感情の昂りと共に頭に血が上るように
Asus4がガツンと利いています。
▼Asus4はリードじゃない
ここでこのAsus4に注目してみてください。
ここでヒロトはなんの歌詞を歌っていますか?
そうなんですよ!
ロングトーンなんです。
ギターがはっきりと聴こえるんです。
しかもこのロングトーン
ヒロトは決して力づくに張ったりしてないんです。
張るのはサビの「リンダリンダ」です。
ヒロトの歌は確かにパッと聴くと
心の叫びに任せた歌に聴こえるかもしれませんが
凄く繊細な美しさを持っているんです。
ロックだから大きな声で力強く!
勿論それも大切です。
ただ実際にロックの主役はボーカルの
魂の叫びだけではありません。
しかもボーカルも
情熱混めて声を張り上げるだけの
ボーカルなんていません。
しっかりとボーカルの後ろでなっている音や
歌詞が伝えんとしているメッセージまで見て
それを踏まえてボーカルがどんな歌い方をしているか聴いてみると
ロックの聴こえ方が少し変わるかと思います!
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One comment to this article
るいこ@わをん
on 2016/08/04 at 14:57 -
そーです、そーです!
我々世代でいうと、
青い三角定規『太陽がくれた季節』の、
イントロは、
Esus4 → E → Esus4 → E
でないと、始まれないし、
渡辺美里『My Revolution』
のエンディングは、
A♭sub4 → A♭ → D♭m6 → A♭
じゃないと、終われないんです。
(大学生のとき、楽器有りのバンドで、
3コ目を、普通のE♭でギタリストが弾いて、
いや、それでは、この、青春の、なんともいえない、
ドキドキが、出ないやん、って、アツく語ったことを、
30年前のことですが、ハッキリ覚えてます)
あー、いいなぁ、こちらの記事には私の大好物で、
そして、自分のアカペラチームのメンバーには、
ちっともわかってもらえない話題が豊富で、
たまりません!