僕には”ポチ”と言う後輩がいます。
彼はアカペラサークルの後輩であり同じマンションの後輩です。高校からビートボックスをやっていた強者で、ボイスパーカッションの先輩として常に意識し切磋琢磨できる素晴らしい後輩の1人です。彼が僕の後輩になってくれたおかげで、それ以来必死にビートボックスを如何にアカペラに取り入れて行くかの研究に没頭する事が出来ました。彼ほどの強者が入ってくると先輩するのも楽ではないのです。
さて。
そんな彼は実は現在サークル執行代。彼も音響班の班長としてアカペラサークルの心臓とも言える音響を思うがままに操っています。そんな彼が班長として優れた事を言っていたので無断で紹介したいと思います。
「僕は”やってみたい”とか”こうしたら良いのに”と言われたらとりあえず”やってみ?”と言うようにしています。」
実はこれはあの世界のGoogleも推奨している文化の1つです。
僕はポチのように何かアイディアを提案された時に「とりあえずやってみ?」と言う人間のことをYESマンと呼んでいます。実は元コネチカット大学学長のマイケル・ホーガン氏の言葉に以下のようなものがある。
『イエス』と言おう。なるべく頻繁に。イエスと言えば物事が動き出す。イエスと言えば成長が始まる。イエスは新たな経験に繋がり、新たな経験は知識と知恵に繋がる。
How Google Works (2014)
※加筆修正済み
恐らく彼はまだまだ大学2年生なのでこの「イエスの文化」が昨今のインターネット時代で注目を浴びている企業文化とは知るはずも無いのですが、彼は自分のセンスでその思考法にたどり着いているのです。これは素晴らしい事です。
あの世界的有名な動画サイトYouTubeでは高画質再生機能をリリースする際のミーティングで「計画だと後数週間の納期があるからあと数週間様子を見ましょう。」とミートが帰結しそうになったところ、時の責任者だったサラー・カマンガーは「計画以外に今すぐ(その機能を)リリースできない理由があるの?」と聴きその場にいた社員が誰もそれに返答することができなかったので、そのミーティングの翌日に高画質再生機能をリリースしたそうだ。
How Google Works (2014)
※加筆修正済み
ポチは大好きなお酒を片手に意気揚々と語りました。
「週に2回サークルの全体合唱の練習で音響機材の設営をするチャンスがあります。1回1回は大切な練習ですが、サークルライブ当日等に比べたら失敗のリスクも比較的低いものになります。だから僕たちもそう言う1回1回の試行錯誤の機会を大切に、そこだからこそ試せるものは試したいんです。」
まあここでこれを書いた事により彼は誰かしらに「1回1回本番のつもりで臨め!」と怒られるのでしょうが、つくづく彼は面白い男だと思います。彼なりに考えて、1回1回の機材の設営を作業として業務的にこなすのではなく、自身やサークルの成長のための機会と見なして班員の「こうしたら良いのに!」「これじゃない!」「やってみたい!」に対して「イエス」と言う場にしているのです。素直に彼が班長の音響班に後輩として入ってみたかったなと思いました。
「別に失敗しても良いんです。自分でやって自分で失敗したら納得してくれますから。”それは違う!”と言うよりも1回自分でやってみて欲しいんです。」
日本酒片手にべろんべろんに酔っ払った彼はそう言い残して帰って行きました。
自分の部屋ではなく1年生の後輩の部屋に行き後輩に目隠しをした上で輪ゴムを打ち付けると言う冷酷極まり無い行為に及んでいましたが、これも彼なりに考え抜かれた「文化」なのかも知れません。
きっと「後輩も逆切れする」と言う失敗をすればその経験からYESマンも「後輩は大切にするべきだ」と言う知識を得ることでしょう。
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