2013年ごろに大ヒットしたPentatonix風アレンジ。
海外では本人たちは何ていうか分かりませんが、VoiceplayやFilharmonicやBacktrackなんかがもろに影響を受けたのではないかと思っています。
ただ、
この手のアレンジって日本では思ったよりも流行しませんでしたよね?
世界で圧倒的に流行している、世界で圧倒的に幅広い層に支持されている(CDの売り上げをみれば顕著)、なのになぜ?
今日はそんな「何故」について考えてみました。
従来はベースやコーラスから作りこんでそれにドラムパートが良い感じに合わせて作ることが多かった楽譜ですが、Pentatonixはパーカスから作りこむことになります。
つまり、ドラムの役割と理解してドラムを組み立てられないと、Pentatonixのようなアレンジはできんのです。
まるでDTMですね!
アカペラはアコギマンや合唱マンや吹奏楽マンは多いですが、なかなかDTMerは少ないように感じます。
そういったところでも、バスの4つ打ちからドラム・ベースと順に装飾していくDTM風味のアレンジが難しかったのかもしれません。
これは後輩が言っていて面白いなと思った視点です。
Pentatonixは圧倒的個人技の集合体である。
これは一理あると思います。
例えばAviのベース。
元々彼は低い声が出ますが、明らかにlowCあたりで一回発声が変わっています。つまり生まれつきのセンスだけであの低い声をだしているわけではないのです。lowGなどのエッジボイスもここ5年ぐらいで流行した新技術です。Kevinのビートボックスだけでなく、ベースやコーラスにも高い技術が求められているのです。
これは賛否が分かれると思います。
ただPentatonixの楽譜は「多重録音前提」として作られていることも多いと僕は思っています。
なので「5声+パーカス」という概念で楽譜を作ってきた人にとって、Daft Punk Medleyみたいな楽譜の書くのは容易ではないのです。今までは曲をデフォルメ化して最大公約数を見つけるような編曲が求められてきましたが、ひたすら音を重ねられるとなると原曲と従来のアカペラの最小公倍数のようなアレンジが求められます。
完全に声で原曲を再現できる中、どこまで声の良さを残すかが大事になるのです。
なのでPentatonix風のアレンジを“したくてもできない人が多かった”のだと思います。
実際に私も幾度となく挑戦したが、PentatonixよりもVoiceplayやFillharmonicに近づいてしまいました。
Kevinの音数も無ければ、Aviの発声もなく、コーラス陣の器用さも無い私にはPentatonix風の演奏は厳しかったです。
逆にPentatonixと言うバンドはそれだけ個々の技量が飛び出ていたバンドなのだと思います。
Pentatonixの楽譜はONLY ONEを追求したとっても良い楽譜だと思いました。
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