【アカペラ】PentatonixのKevinは今世紀もっともアカペラにイノベーションを起こした奏者である。【編曲編】


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本日のテーマは編曲
今日の主役はこいつです!
おなじみの世界的に大人気のアカペラバンドPentatonixのボイスパーカショニストKevin君です。

彼の凄いところは色々あるのですが、本日はアカペラアレンジの視点から見たKevinくんの凄さを本の少しだけ紹介したいと思います。



今流行のPentatonixっぽいアレンジをするには?
僕はDaft Punkが全てだと思っております。その後アップロードされた人気作にも全て共通項が1つあります。

Pentatonixの曲はコーラスだけ聴くと一貫性が無い。

Pentatonix – Daft Punk. by Kalaborative

とりあえずこちらをごらんください。
musescoreのサイトに落っこちていたスコアです。もちろんボイスパーカッションは抜きのものです。

どうでしょう?
物凄く一貫性がなく曲がとぎれとぎれになっているのです。


僕的Pentatonixの主な楽譜のポイント4つ

  • 1曲を何個かに分割して作り込む
  • その中に共通項をつくる(4つ打ちは外さない等)
  • 安易な音被りをさける(ボイシング)
  • 分割して曲を作る時にそれぞれに役割を必ず含む事

こちらの映像は生声でのStarshipです。
多重録音部分がカットされているのでわかりやすいかと思います(途中のAviのフォールからのホーミーが物凄いです)。

コーラスのリズムが転換したり、曲の作りが変わるところで必ずKevin君は電子音か風の音を入れることで入れ替わりの不自然な間を埋めております。そして往々にしてAviもそれに協力しているのです。

このWe are Young等でも転換のポイントとなる要所要所で「しゅくちしゅくちちゅー」等の音が綺麗に入っているのがわかりますね!この間コーラスががらりと変わる不自然な間や展開が許されるのは純粋にKevin君のボイスパーカショニストとしての腕が効くからなのです。

それが許されていない例としてVoicePlayがあげられます。
あれはアレンジにボイスパーカッションの技術がついてこなかった悲しい例です。

voiceplayの場合は曲の切れ目切れ目に入れるトランスが非常に甘いです。
pentatonixの様な技法を使うのであればテクノと言う特性をしっかりと理解した上で、不自然な曲の切れ目を上手につぎはぎする技術を持っていないと厳しいものがあります。


Daft Punkに学ぶケビンのトランス
コーラスのみのものに
Pentatonix – Daft Punk. by Kalaborative

ビートと若干の効果音が入り

多重録音で更に効果音(トランス系の音)が加わると

こうやって1ステップずつ音を増やして行くとKevinのアレンジャーとしてのボイスパーカッション能力の高さが見えてきます。彼はPentatonixの曲作りにおいてかなり口を出すと聴きました。それは恐らく前衛的なアレンジをして行く中で彼がそのアレンジの弱点をそれを補う為に自分がやるべきことが明確に見えているからでしょう。


ためしてみた!

先日行われたサークルのコンサートで後輩と一緒に歌いました!
その後輩達が僕がアレンジしたPentatonixやVoicePlayにインスパイアされた楽譜を歌ってくれたのです。

楽譜を作るにあたって僕はJUJUさんのHot Stuffと言う曲を大きく5分割しました。

①Aメロ
②Bメロ
③サビ
④サビ後
⑤ブリッジ

そしてそれぞれ共通項でくくります。

①Aメロ(4打ち)
②Bメロ(4打ち)
③サビ(4打ち)
④サビ後(4打ち)
⑤ブリッジ(例外2拍3連擬き)

結果から言ってしまうとこの音源は特に僕がトランスを打ち切れませんでした。しかしBメロ以降随所に入ってくるオシャレ和音や、ブリッジでの低音押しと変化等はうまい感じにそれっぽさを出せたかな?と思います。

後悔があるとすればブリッジの和音はもうちょい遊べたかな、と。
それとラスサビをもっともっとカオスにしても良かったのかなとも思いますが、やり過ぎると収拾がつかなくなるのでこれはこれで良かったのではないかと思っております。


まとめ!Kevinの偉業!
Kevinくんがこのようなトランスをアカペラ界に持ち込んだことにより何が出来るようになったか?一言で言ってしまうと、

「曲の魔改造」

だと思います。今までは不自然と言われていた流れをぶったぎるタブーを犯せるようになったのです。それにより派手なリハーモナイズやコーラスの動きの変化をつけられるようになりました。現にPentatonixはコーラスがリズムを作った直後に全員字ハモに移行したりとやっていることがめちゃくちゃです。それでも心地よく聴けるのはKevin君が裏でしっかりとそのアレンジを支えているからではないでしょうか?

先ほどの後輩との演奏でも、Kevin君の発想があったからこそ、サビでいきなりコーラスを1声削ってトップコーラスにリズムギターとしてコードを歌わせることが出来ました。

Pentatonixっぽいアレンジ。
それは1曲をさもメドレーかのように聴かせ飽きさせない奇想天外なアレンジだと僕は思います。そしてそれはKevin君がアカペラへのBeatBoxの直輸入に成功したからではないでしょうか?

Kevin Olusolaは間違いなく今世紀一番アカペラにおいてブレークスルーを、イノベーションを起こした奏者だと僕は思います。


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