【アカペラ】ロックだって美しい!〜しっかりギターを聴いて編曲してくれ編〜


ロックなのに情熱的じゃない?

「あいつらの演奏はロックなのに情熱的じゃない」

アカペラのオーディションの審査でよく見る言葉です。

好きなバンドはTHE BLUE HEARTSや銀杏BOYZ!
ずっとロックバンドでドラムを叩いてきた僕からしてみれば
この台詞はとんでもなく許せないものなのです!!!

いや!
確かに!

「ロックは魂の叫びである!」

これは認めます。
僕だってそう思って頭を振りながらドラムを叩いてきました。

でも!だからといって

声を荒げれば良いのもではないと思うのです。

ロックだって時に美しく時に優雅に時に爽やかに
表情を移り変えながら進行して行くんです。

今日はそんな記事を書きます。


刮目せよ!
スクリーンショット 2016-08-04 2.12.11

とある楽曲の進行です。
これめっちゃ美しく無いですか?

▼前半4小節の解説
前半部分は最高音がステイしています。
内声を巧みに操作して曲の進行を作っています。

特にアカペラで言うサードにあたる音。
この半音の進行はカッコいいです。
しかもこの臨時記号の連続と7th。
そこらへんのアカペラ編曲よりオシャレな和音進行です。

盛り上がりを押さえつけているのに
サードでしっかりと動きを出しています。
そして2回目のDは7thにすることで
後半へのきっかけ造りになっています。

▼後半4小節の解説
「G-G-Asus4-A」です。
しっかりとじらしにきています。

これが「G-G-A-A」だったらとんでもなくダサい!
ロックだからといってドミソやドソとは限らんのです。

ここは前半部分に比べ大きく音が全体的に上下します。
まあ誰が見ても分かるようにここでは盛り上がりを作っています。
情熱的に一気に音が上がりますよね!

一番の魅せ場になる「Asus4」では音と音の間隔も開き
もう見るからにここの「Asus4」が美味しいことが分かる作りです。


この曲なんだ?
まぁ種明かしをしてしまうとこの進行は誰もがしる
あのロックの名曲のメロ部分なのです。

3rdギターの音に注意して聴いてみてください。

▼歌詞から解釈

もしも僕がいつか君と
出会い話し合うなら

ちゃんと後半部分で盛り上がっています。
妄想の部分で盛り上がりが来ています。

これが出てくるのは1メロと3メロだけです。
そして1メロの歌い出しと3メロの歌い出しは同じ歌詞です。

愛じゃなくても恋じゃなくても
君を離しはしない

ここでも「離しはしない」ってところで
感情の昂りと共に頭に血が上るように
Asus4がガツンと利いています。

▼Asus4はリードじゃない
ここでこのAsus4に注目してみてください。
ここでヒロトはなんの歌詞を歌っていますか?

そうなんですよ!

ロングトーンなんです。
ギターがはっきりと聴こえるんです。

しかもこのロングトーン
ヒロトは決して力づくに張ったりしてないんです。
張るのはサビの「リンダリンダ」です。

ヒロトの歌は確かにパッと聴くと
心の叫びに任せた歌に聴こえるかもしれませんが
凄く繊細な美しさを持っているんです。


ロックは張れば良いってもんじゃない!
ロックだから大きな声で力強く!

勿論それも大切です。
ただ実際にロックの主役はボーカルの
魂の叫びだけではありません。

しかもボーカルも
情熱混めて声を張り上げるだけの
ボーカルなんていません。

しっかりとボーカルの後ろでなっている音や
歌詞が伝えんとしているメッセージまで見て
それを踏まえてボーカルがどんな歌い方をしているか聴いてみると

ロックの聴こえ方が少し変わるかと思います!


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One comment to this article

  1. るいこ@わをん

    on 2016/08/04 at 14:57 - 返信

    そーです、そーです!

    我々世代でいうと、
    青い三角定規『太陽がくれた季節』の、
    イントロは、

    Esus4 → E → Esus4 → E

    でないと、始まれないし、

    渡辺美里『My Revolution』
    のエンディングは、

    A♭sub4 → A♭ → D♭m6 → A♭

    じゃないと、終われないんです。
    (大学生のとき、楽器有りのバンドで、
    3コ目を、普通のE♭でギタリストが弾いて、
    いや、それでは、この、青春の、なんともいえない、
    ドキドキが、出ないやん、って、アツく語ったことを、
    30年前のことですが、ハッキリ覚えてます)

    あー、いいなぁ、こちらの記事には私の大好物で、
    そして、自分のアカペラチームのメンバーには、
    ちっともわかってもらえない話題が豊富で、
    たまりません!

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