【アカペラ】音被りや全休符はタブー!そのパートを殺す意味ありますか?そのパート殺してないですか?


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音が被ろうが、メロでコーラスを抜こうが、そこに意図があれば良いのです。
意図があれば良いのですが、それをするときにコーラスを殺していると言う自覚が必要だと思ったので記事をかいております。

どうも!

音が被ると言う事は極論言ってしまえば被っている音を歌っているうちの片割れは要らないわけです。全休符を置くと言う事はコーラスにおまえ要らないよって言っているような物です。メロでベースとパーカスとリードだけになるとコードが鳴りませんよね。一度に鳴らせる音数が物凄く限られているアカペラだからこそ、そのようなパートを歌わせるからには当然アレンジにもそれ相応の意図が必要になります。

断言しましょう!
ただ何となく全休符や音被りをしている楽譜は再考の余地ありです!そこにしっかり意図を含めましょう!



音被りと全休符のオンパレード!これはどういうこっちゃ!

と、言ったそばから僕の楽譜です。
High School Musical3よりHigh School Musicalです。

物凄い勢いでコーラスに全休符を歌わせたり音被りをしたりしております。あれだけ前書きで全休符と音被りについて苦言した矢先にこれです。笑

じゃあここまでタブーをおかしまくって何がしたかったのか?書いてみます。


1Aメロ
単純に2人1組のドゥエット曲なので字ハモが引き立つようにコーラスの音を抜いています。

コーラスの字ハモを引き立てる上でどれが一番良いのか試行錯誤し、全体の流れも組んでここでは男女の字ハモのみにした方が良いなと判断しました。2人の字ハモを引き立てたかったのです。


1Bメロ
サビに向けて一回リズムをゆったりさせるためにベースの刻みを減らしオクターブをやめています。

そしてコーラスはサビで5声にするのでそっと「ooコーラス」でコーラスを入れています。そこから「ooコーラス」を解除して単語を歌って徐々に字ハモに近づけて行っています。

リードはサビの前にストップモーションを入れて緊張感を出しています。
そしてストップモーションで音程の無いリードの台詞で後ろ向きだったリズムをサビに向けて加速させています。


1サビ
男子と女子のユニゾンで主旋律に勢いを出しています。

またトップコーラスを下ハモに回す事で地声で歌える音域にとどめ勢いを出そうとしています。

ベースは思い切り下まで下降してトップが下がった分和音の距離を保とうと計っております。

和音の積みが下がった分勢いが落ちるのでその代わりにフルで字ハモをしています。

一方でテンポが早く歌詞が詰まっているサビを字ハモにして、敢えて縦が揃えずら楽譜にすることで原曲の大勢で歌っているわちゃわちゃした感じを出そうとしています。


2メロ前
ペアががらりと変わるのでテンションをならす事で場面転換にしています。まあでも言うて原曲をパクっているだけなんですけどね。笑

ちなみにここで原曲が転調しているので転調しています。
転調後のキーはG。青空や旅立ち巣立ちを連想させるコードです。卒業式(アメリカの卒業式は初夏に屋外で行う)だからこのコードなのだと僕は勝手に解釈しております。だから2番一発目の歌詞も「卒業スピーチ」ではじまります!


2メロ
基本的に1番のコピペ。これまたタブー中のタブーです!

若干字ハモが増えたりしてはいますがドゥエットのペアが変わった事を強調したいので敢えて楽譜は変えていません。

変えすぎると何が変わったかわからなくなってしまうので、一番強調したいペアが変わった事を強調するために1番と2番を同じ構成にしています。


ブレイク
女性2人のドゥエットです。

男女ペアで着たところで男男・女女ペアになるので変化が目立つはずです。
ここで男性コーラスの声域が大幅に逆転することで伏線をはっています。

リズムも展開しています。もともとシンコペーションが多くリズムの面白い曲ですが顕著に裏打ちが増えています。そして裏が増えるので緊張感やシンコペーション特有の疾走感も増しますよね。

それに加えベースが上下し最高音最低音でストップすることで、シンコペーションとストップモーションが決まりリズムの変化にしまりがでます。後半からベースの刻みが増えテンションがあがります。そのためベースリフの音程の上下も激しくなっています。

男女ペアに戻る際に先ほど音程急上昇した男性がリードに戻ってくることでの伏線回収しております。

ここでは男女でワンフレーズずつ掛け合います。リズムはエイトビートになりストップがなくなるので進行感が出ます。

ラストに向けて進んで行く進行感を出すのが狙いです。


落ちサビ
からの裏切りでテンション&ストップ!

オールユニゾンで一体感を出します。卒業ソングなので皆で歌うことがもっとも大事と判断しオールユニゾンを登用しました。

後半から和音は一気に開きます。卒業後それぞれの道を歩み出す感じです。
そして今までになかったフェイクが入るようになります。

ジェットコースターに例えるならば最後の大落下に向けてゆっくりと登って行くイメージですね!

そのためにここでお客さんと一体感を出すためにクラップをしてもらうため、わかり易いリズムにしています。またお客さんにわかり易くするために和音も簡単なものを意識的に登用しました。


ラスサビ
喉と体力と声域の問題上リードのペアリングを交代(笑)

フェイクが大幅に増えます。
特に盛り上がり感やフィナーレ感を出すためにトップコーラスが最後に大きなフェイクを入れてきます。


アウトロ
ペアリングに捕われないドゥエットで一体感を出します。
2人1組から人数を増やし最後は全員で同じ歌詞を歌うことで一体感を出します。

卒業ソングなので最後の余韻や別れを惜しむ感じが出したいので最後はロングトーン!声量で押したいのでオシャレなことはせず素直な音で力一杯歌うことに注力しました。


まとめ
とは言え僕も素人です。
きっと音楽を先行している方から見たら穴だらけのアレンジなんだと思います。それでもこれだけ僕なりの考えがあったりするものです。

僕の友人にも作曲法を選考している男がいます。
僕は彼に自分のアレンジを叩かれすぎてこういったことをめちゃくちゃ意識するようになりました。やっぱり音被りは悪い事、コーラスを全休符にしてしまうとコードがならない、等と言った作曲上のリスクをしっかりと把握しておくのって大切かと思います。

他にも平行五度・平行八度(後者は音被り)の問題等書けば書く程きりがないのですが、何か音楽上よろしく無い事をする際には必ずそれをするだけの意図があったほうが良いですし、そもそもそれがよろしく無いとどこかで自覚している必要があるかと思います。

積極的に色んな音楽を聴いて、和音やコードのことを勉強してみるとより聴き手も歌い手も気持ちが良い楽譜になるのではないかなと思いました。


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