Tim Foustは化け物です。
とても人の音域とは思えない程低い音を出せます。
ボイスベースとしては凄いことです。
ただこの低い声だけではボイスベースとして凄いだけです…。
幸い彼は低い声に頼らずとも抜群にベーシングが安定しているので
上手いのですが個人的にはもっと単調なベースリフを演奏するTimを見てみたいものです。
E♭1とかになってくるともはや価値無いですよね…。
ビックリ人間として最初の数回は注目ひけますが
最終的にはもはやこれエレキベースで良いです…。
静止してハモらないこの発声で
この音を声で出す意義が感じられないわけで
じゃあどういうベーシングだったら
声で演奏するベースとして良いのか
それを書いて行きたいと思います。
それにはまず”上手いベース”の定義を明確にしたいと思います。
僕が思う上手いベースとは影の立役者であることはさることながら
同じリフの中でもどんどん変化を付けて行ける奏者だと思っています。
このChameleonのベースなんかはまさにです。
他にもこのBoogie Oogie Oogieのベースなんかがそれです。
スキャットの変化とかそういうじゃなくって
ちょっとした強弱や拍の前後で巧みに曲を演出出来るベースは強いです。
それもこっそりと。
あくまで主役は主旋律。
それを影ながら引き立てられるベースは上手いです。
これはボイスパーカッションにも共通して言えることですが
音楽として曲を演奏する時にお客さんが一番注目して聴くのはリードです。
中には”マニア”もいて
そういった”マニア”はドラムやベースを聴いて
ニヤニヤとしているでしょうが
普通の人はわざわざベースリフなんか聴き込みません。
上手いベースってのは往々にして
“さりげなく上手い”ものです。
逆にです。
お客さんが初見で聴いた際にリードが埋もれてしまって
リードを聴いてもらえないと言うのは
音楽をやっている上で致命的な問題であるように感じます。
字ハモも同じです。
アカペラを知らない人に「ひとり」のサビを聴かせ
歌ってもらうと必ず主旋律を歌うと思います。
そこがメインであって
そこが一番聴こえるように作り込んでいるからです。
逆に「そこが一番聴こえないとダメ」なんです。
さて。
それを踏まえて敢えて書きたいです。
「まだ低い声だしてんの?」と。
TRY-TONEの青木さんはパーカッシブなベースをするために
パーカッシブなスキャットを研究しました。
Vox OneのTomはそもそもアカペラのベースは聴かず
楽器のベースを聴き込み模倣していると言います。
両者とも技ありのベーシングが光ります。
低音で押すならばNaturally7やReal Groupです。
喉ベースやエッジボイスは使いません。
いや寧ろ最低音まではエッジを入れています。
彼らは最低音の瞬間にエッジを抜くことで
和音の広がりに響きや美しさを求めています。
つまり昨今はやりの最低音で敢えてエッジをいれるやり方は
ハーモニーを美しく響かせると言う視点からみると
そうとうタブーなことをしているわけです。
奇をてらったタブーも面白いのははじめだけです。
そこから工夫をして行かなければ
ただのルール違反にしかなりません。
最近AviやTimのまねごとが流行していますが
アカペラと言うジャンルとベースと言うパートの特性を踏まえて
自分なりに一工夫入れられるか否かが凄く大切な気がします。
シンプルなベースリフだけで魅せられるようになってから。
パーカスがまずはハイハット・スネア・バスだけで
遊べるようになってから音数増やせと言われるように
ベースもまずはシンプルなベースリフだけで遊べると
アカペラベースではなくベーシストとして
魅力的な奏者になれるのではないでしょうか?
低い音が凄いのはアカペラだけですよ…。
※あの発声のあの声をメタルではデスボイスなんて呼んだりします。
※ロックではウーファーを揺らす声なんて表現でも聴いたことあります。
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