【アカペラ】僕なりの編曲の手順!良いバンドには良い楽譜!


良いバンドには良い楽譜
参考:【アカペラ】アカペラのアレンジはフィギュアスケートのよう。

以前こんな記事を書きました。
要するにアカペラの演奏を審査する際は「楽譜が持つ基礎点数」とそれを歌いこなした「上手さ」で審査されると言ったお話です。良い演奏をするためには良い楽譜は必要条件です。そんな良い楽譜を書くためにはプロの楽譜を沢山採譜したりプロの楽譜を沢山歌うしかないのですがこれはなかなか短期的なスパンで出来る編曲の練習方法ではないです。

最低でも半年は覚悟した方が良いです。
僕はアレンジのやり方について聴かれる度に「まずは採譜!」と言っているのですがなかなか採譜をしたがらない人も多いようなので今日は「どうしても採譜はしたくない」って方のために少ないインプットでもそれを最大限引き出せるアレンジの手順を紹介したいと思います。



手順

①曲分析
・作曲背景
・歌詞解釈
・調色分析
・進行解析

②取捨選択
・曲の1番の魅力
・1番の魅せどころ
・1番の盛り上げどころ
・原曲に入っている数多の音を6つに絞る

③TL作成
・もりあがり表作成

④TL作成
・表に音楽的アプローチを書き込む

⑤楽譜作成
・1番の盛り上げどころ/魅せどころから逆算するように作る


1.曲分析
まずは楽譜を書く前に楽譜作成ソフトを開く前にたった今から編曲しようとしている曲の分析をしましょう。歌詞解釈もせずにリードまわしを組み立てられるわけがありません。曲を聴き込まずして盛り上がりどころをつくれるわけがありません。コードの進行を解析せずにコーラスの和音をつめるわけがないのです。

逸る気持ちを抑えてしっかりと曲を分析するようにしましょう。
このステップをさぼると「薄い楽譜」になってしまいます。サビにも関わらずコーラスの和音の詰みが上がらなかったり結局終止同じようなことを繰り返して終わってしまったり、楽譜の設計ミスにも繋がるのでこのステップは1番大切なステップになります。


2.取捨選択
次に取捨選択をしましょう。
よくやりがちなのが無駄に曲を1曲フルでアレンジしてしまったがために産まれる「飽きる編曲」です。たまーにいるのですが「ゴスペラーズがこれで歌っているから!」とか「pentatonixがこうだから!」って人がいるのですがプロのアレンジを見る場合はテレビでオンエアされたものを参考にしてみてください。

あれが一般のそのアーティストのことを特別好きじゃない人が聴いた時に興味が持続する曲尺です。もちろん放映時間の都合などもありますが、大体1番ブリッジラスサビになっていますよね。それはそのアーティストやその曲の「ファン」ではない「お客さん」が聴いた時に飽きずに聴いてくれるであろう尺なのです。

そういった曲尺でアレンジを作る上で「どこが魅せどころ」で「どこを歌うか」の取捨選択は欠かせません。2番や3番をカットしないまでも本当にその楽器のまねごと(前奏や間奏等)は必要なのか検討する余地はあるかと思います。人の声はギターでもピアノでも管楽器でもありません。ボイスパーカッションを嗜む僕が言えた事では無いですが、ただ単に楽器のまねごとをするぐらいならば楽器でやりましょう。


3 & 4.TL(タイムライン)作成
さて。
曲の分析をして取捨選択をしたら次はTLを作りましょう。

まずは紙に横線をひいてください。
そしたら適当な感覚で「1A・1B・1サビ・ブリッジ・ラスサビ」ってな感じで曲を分解してブロックごとに分けて書いてみてください。そうしたらそれぞれに0〜100で盛り上がりメーターを書き込んで折れ線グラフをつくってみます。

スクリーンショット 2015-02-05 22.30.35

適当に書いてみました。
ただしこの時に必ず0と100を入れてください!全部100は全部0と同じです。最低値と最高値が必ず100になるように作ってみましょう!ここで躓いてしまったら是非ステップ1まで戻って曲の分析をもっとやってみてください。しっかりと分析すれば自ずとどこが100でどこが0なのかラインが読めて来ます。

そしてこの表が出来たら今度は自分の持っているボキャブラリ(語彙力)とグラマー(文法力)が試されるお時間です。どこでどの和音(単語)を使うのか?どこでどのテクニック(文法)を使うのか?

こればかりはしっかりと採譜して養いましょうとしか言いようが無いのですが、1つだけ「採譜(をする努力)をどうしてもしたくない人」の為に採譜する努力を省く方法を紹介するならば「自分の楽譜のmidiを再生してみてプロのアカペラバンドが歌ってそうか?」ってところを意識してみてください。歌ってなさそうだったらそれは間違いなく良く無いことがおこる予兆です。何か代案を探しましょう!


5.楽譜の作成
さてさて。ようやく楽譜を作るお時間になりました。
この時まちがってもイントロから馬鹿素直にアウトロまで順番に作らないでくださいね!

編曲は逆算が大切です。

ステップ2で定めた一番の盛り上がりどころ(タイムラインで100の数字をつけた箇所)から作りましょう!そこが完成したらそこが一番盛り上がるように逆算をしながら作って行きます。どうやったらその魅せどころが一番栄えるのか考えながら伏線を張り巡らせるように作りこんで行くのが僕が思うコツです。逆算しながらどこでどの和音(単語)及びにどのテクニック(文法)を使ったら良いのか考えましょう!

いくら原宿のファッションマスターでも最先端の流行のアイテムを全て身にまとったらただの変質者です。しっかりと一番魅せたいアイテムを魅せるには何を着たら良いのか逆算しながら作り込みましょう!


まとめ
編曲は一歩間違えば原曲レイプです。
そうならないためにも特にステップ1を大切にしてみてください。しっかりと楽曲を分析してその曲の魅力を自分なりに落とし込んだ上でそれが一番栄える楽譜の作り方をするのがオススメです!

終わりから逆算して、どこで一番盛り上げたいのか考え、そこが一番栄えるように楽譜をつくりましょう!その時に全体のバランスにもきちんと気を使えると尚良いでしょう!


最後まで読んでいただきありがとうございます。もしこの記事を気に入って頂けたようであればシェアをお願い致します。非常に励みになります。


コメントを残す