【アカペラ】The Real Groupにパーカスが居ないが故のリスク。


Real Group自体は大好きです!
誤解しないでください!
僕はThe Real Group自体は大好きです!

この曲とか面白いですよね!
同期のバンドが歌っていたのを聴いて知ったのですが、
かなり攻めた面白い編曲だと思います。

The Real Groupさんこういう編曲多いですね!
その攻めんとする編曲ぼくは大好きです。

この曲はサークル同期に教えてもらったのですがこれも面白いです。
ボイスパーカッションには音色よりもリズムが大切っていうのがよくわかるだけでなく、遊び心に溢れたアレンジが好きです。これはThe Real Groupさんのオリジナル曲ですよね?相変わらず遊んでるなあって思います。

と、まあこんな風に人並みにはThe Real Groupが好きな僕なのですが
どうしても彼らが演奏するアップテンポジャズ、特にIt’s Don’t Mean a Thingがどうしても好きになれなかったのでその理由を分析してみました。

「バンドにボイスパーカッションが居ないというリスク」について書きたいと思います。



ジャズの花形ドラム
その前に結論から書いてしまいます。
The Real Groupのアップテンポスウィングがジャズ好きにとってどこか引っかかってしまうのは恐らく「花形であるドラムが居ないから」だと僕は考察しております。後述しますが、多くのアカペラバンドはドラムが居ない状態でアップテンポのジャズを演奏することを避けております。それぐらいジャズにとってドラムは大切なのです。

『ジャズ耳の鍛え方』と言う書籍は

「クラシックとジャズの構成楽器は9割型同じ。違うのはジャズにドラムが居る事ぐらい。」

と言っております。クラシックと言えば先ほどのモーツァルトメドレーなんかがクラシックがルーツにある曲ですよね!だからパーカス無しの5声でも栄えたのだと考察できます。


また同様に『B級ジャズ名盤迷盤101―60年代のジャズ喫茶で輝いた101枚 』でも

「ドラムはジャズの花形である。」

と言う文言から始まる章が散見出来ました。


これに関して僕の持論に凄く近い主張をしているサイトがあったので紹介いたします。
こちらのサイトさんでもまず「ドラムはジャズの花形」と名言した上で、

「他のジャンルよりもドラマー自身の個性が現れやすいのがジャズなので、多くを語りたいドラマーが好むのがジャズになるのかもしれません。」

と書かれておりました。
参考:http://okazaki-plus.com/03.html


こちらのサイトさんでは

「ジャズとその他の音楽を隔す楽器のひとつはこのドラムセットの存在があります。
これが、あるだけでまず95%はクラシックではないと判断できます。
ジャンル全体の中でこのドラムセットが重要になるのはロックとジャズです。」
参考:http://www7.plala.or.jp/jjdai/nyumon/kouza05.html

と書かれています。

ジャズと言うと管楽器が華やかなイメージが強いですが、
なんだかんだ言ってドラムもジャズの花形楽器の1つです。

そのドラムのパートが無いと言う事は花形が居ないと言う事であり、
ジャズをする上で凄く致命的な欠点となりうるのです。


ドラムがいないリスク
と、まあ“居て当たり前”のドラムが居ないこと自体に既にリスクがあるのですが、
それゆえなのかそれに加えてThe Real Groupさんの“タイム”の悪さを感じました。

ところどころ拍飛ギリギリのようにも感じます。
The Real Group十八番の追い込むような盛り上がりの作り方も好きなのですが、ただ単にカオスになって終わってしまっているように感じます。疾走感をだして前に前にグルーヴを作って行くのは良いのですが少し後ろに重心をかけないとただ単にカオスなだけになってしまいます…。

こんどはCDだと前に来て欲しい所で加速不良のように感じてしまいます。
アップテンポのジャズであるにも関わらずライドで曲をドライブ出来ないので当然っちゃ当然のことなのかも知れませんが…。
更にはスネアやタムのフラム音が無いのも大きなハンデとなってしまっているように感じます。


Vox Oneを見てみよう
同じ海外プロのジャズバンドとしてVox Oneが良く比較されます。
ことアップテンポのジャズに限定するならば明らかにVox Oneに軍配なのではないでしょうか?

と、言うのも
「何故Vox Oneがわざわざ多重録音でドラムを入れているか?」
と言う所に尽きると思います。

別に多重録音せずとも5声パーカス無しで歌っている曲もあります。
それでも特定の曲にはやっぱり多重録音のドラムパートが入って居ます。
北村さんがいらっしゃったことのTRY-TONEなんかもそうですが“何故一声削ってまでボイスパーカッションパートを入れたのか?”と言うところを突き詰めて行くとやはりドラムってアップテンポジャズを演奏する上で和音と同じぐらいまたはそれ以上に大切なものなのだと思います。

逆にボイスパーカッションが居ないバンドでは
アップテンポジャズが敬遠されがちのように感じます。

懸命だと思います。
Broad6さんなんかはスローテンポ気味のジャズが多いですよね。
これまたボイスパーカッション無しの6声だからなのではないでしょうか?


まとめ
そもそもを言ってしまうと、
スウィングジャズって20世紀にダンスミュージックとして発達して来た部分が強いのではないかと思います。ベニー・グッドマン楽団が演奏するSing Sing Singなんてもう踊るのにおあつらえ向きの音楽ですよね。

そんなスウィングジャズしかもテンポが早めのもので
リズムを奏でる上で要となるドラムパートが居ないのは大きなハンデキャップになってしまうように感じます。

ピアノの居ない4人編成のジャズバンド。
ペット、コントラバス、ドラム・・。ってだれがコードをならすんだ!
ドラムの居ないジャズバンドってこんな感じのニュアンスなんだと思います。

僕がThe Real GroupのIt’s Don’t Mean a Thingを好きになれないのは、
きっと彼らの演奏が悪いからではなく、そもそもそこにあるはずのものがごっそり抜けてしまっており、それが故に粗が目立ってしまうからなのかもしれません。

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