紆余曲折あり僕が納期半ばで放棄した役職です。
クラップ係とはサークルの全体会の際にサークル員の前に出てブレスや発声の練習中にメトロノームの代わりに手を叩き続ける役割を担う人のことをさします。僕は名誉あることにこの役職を任せていただく事になり約9ヶ月ほどサークル員の前で手をたたく日が続きました。
任命された当初僕には迷いがありました。
手拍子をする際に拍が安定しなかったのです。言い訳になりますが、サークル員はものすごい勢いで走りそしてもたります。16分音符でのブレストレーニングなんか4分音符でのブレストレーニングの1.2倍ほどの早さになっておりました。また3連符の練習では皆が好き勝手なリズムで3連符を刻み相当カオスなことに…。
そんなこんなもあり、また僕がたんたんと手拍子することに不慣れなこともあり、本来はその走りもたりを改善するための手拍子であったはずが当初はまったくテンポが安定しなかったのです。
そんな時に僕は考えました。
「なんで電子メトロノームの音を流すのではなく僕が手をたたいてるんだ?」
今なら胸を張って断言できます。
僕は同サークルの同期の誰よりも4拍クラップするのが上手です。なんなら電子メトロノームを使うぐらいなら僕に手を叩かせた方が数倍マシです!!!
※ごめんなさい盛りました。笑
それはクラップ係を任せてもらう事により「なんで自分がクラップしているのか?」つきつめられたからだと思います。
僕は考えているうちに電子メトロノームではなく人がクラップする理由としていくつかの結論に行き着きました。
①電子メトロノームではグルーヴが出ないから
②腕の動きにより視覚的情報を与えるため(指揮者も視覚イメージ)
③強拍と弱拍を臨機応変に変えるため
④音が鳴っていないところにリズムを作るため
ちょっと考えてみてください。
4拍どこで打つのか目で見えている状態と4拍どこで打つのか音だけで情報を与えられている状態どちらが拍の位置を予測しやすいですか?もちろん前者ですよね。メトロノームも音だけ聴くよりもその振り子の動きを見ていた方が拍の位置を把握しやすいかと思います。
そしてその振り子が見えればどこでタメてどこで加速するのかわかるので、グルーヴも産まれます。そしてそのグルーヴが分かればどこが弱拍でどこが強拍なのかもわかります。
「タン(大)タン(小)タン(小)タン(小)」なのか「タン(大)タン(小)タン(大)タン(小)」なのかで同じ4拍でも印象が変わってきます。そして「タン(ウン)タン(ウン)タン(ウン)タン(ウン)」とクラップを打つ際に人の手だからこそこの「ウン」を表現できると言っても過言ではありません。
僕はこの4つの結論が自分にかされた使命だと思いました。
その結果僕は必ず自分の頭の腕どこから見ても見えるように手をたたく事にしました。
ぶっちゃけると胸の前で小さく叩いたらどんな人でも間違いなく安定します。が、それって意味ありますか?ないですよね。だったらメトロノームで良いです。前の人しか見えないのですから。
「如何に頭上(どこから見ても見える位置で)で安定したテンポ感と心地よいリズムでクラップをするか」
ここに自分の持てる技術を注力しました。
その結果僕は自分の口で8ビートを打ちながらその感覚に従ってクラップを打ち続けると言うスタイルに最終的には落ち着きました。
要するに。
無駄な事なんて1つもないんです。
どれだけ小さな事でもどれだけ些細な事でも突き詰めてみましょう。なんで自分なのか。なんでそれが必要なのか。「なんで?なんでなんで?」と、とことん沸いてくる疑問をすべてぶつけて掘り下げて行きましょう。
そこで得られた理由を元に自分なりに考えてその役職を全うした時にそれは自分の演奏における自分だけのテクニックとして必ず役にたちますよ!
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