【アカペラ】日本語と英語の違いから見る無声パーカス限界論


日本語ONLYだと無声パーカスは無理?

定期的にmokabuu.comで書かれている「日本語ONLYの奏者に無声パーカスは無理理論」です。

どうも!

日本語ONLYの話者に無声パーカス無理理論が気になる方は下記をお読みください。

【アカペラ】ボイスパーカッションを演奏する時に気をつけて欲しい10個のポイント!

主に「母音」「子音」の数の観点から、日本語の発音は少ないため子音をメインとした無声音を使ったパーカスの演奏に限界がある旨を書いております。

「そんなの後から勉強すれば良いじゃん!努力でカバーできるよ!」という方は、バトラー後藤先生の「臨界期説」に影響を受けた下記の記事をお読みいただけると幸いです。子供の頃に聞いてこなかった発音は大人になってからじゃ、そもそも脳が知覚できないというバトラー後藤先生の研究による説をもとに書かれた記事です。

【アカペラ】本当に日本人に無声パーカスは無理なのか?!

で、今日は何を書くかというと「無声パーカス」と「有声パーカス」における「拍」の取り方の違いについて書きたいと思います。


日本語と英語の違い

そもそもです。日本語と英語には大きな「リズムの違い」があります。

音節ごとに拍が入る日本語はシラブルタイミングの言語であり、強い拍の入る部分にのみビートが入る英語はストレスタイミングの言語と分類されます。

例えば日本語であれば「らーめん」と言うときに「4拍」音がありますよね。

一方で英語で「Oh, man!!」と言うときに「オーマン」と律儀に「4拍」で発音するネイティブはいないと思います。

同様に「Oh my god!!」と言うフレーズがあったときに「オーマイゴッド」と全ての音を1拍で発音する日本語に対して、英語はそういうわけではなかったりします。そんな英語特有の発音を無理やり日本語で表そうとして「オーマイガッ!」なんて表記のカタカナを目にしたことがある方も少なくないはずです。


拍がないため略す

前述の通り、英語の発音は必ずしも拍に乗るわけではないため、積極的に言葉と言葉をくっつけて、フレーズ単位で簡略化を図ります。前の単語の言い終わりを待つことなく、次の単語の発音が始まります。

有名どころだと「Do not」が「Don’t」になったり、「Don’t you」が「Doncha」になったりしますよね。

次の単語を待たずして省略された例です。必ずしも正拍で音が入らないため、日本人にとって入りにくい裏拍なども、彼ら彼女らにしてみれば、なんてことない普段から言葉を発しているタイミングだったりするのです。


やっぱり子音がボスとなる

また、省略する際に、ネイティブは子音を用いて略す傾向があります。例えば「Msk」と記載されたら「Mask」と呼んだりします。これは普段から子音を意識して発音しているからです。なので、ネイティブは子音を大切にしており、子音さえ見れば/聞こえれば、単語をイメージできる脳みそになっているのです。

有名な逸話だと日本人が騒音が激しい機内でドリンクを注文するとアメリカ人のスッチーさんは「Coffee」なのか「Coke」なのか聞き分けられないという言う逸話があったりします。これも「子音の発音(に伴う口の動き)」に起因しております。

なので、拍がないところにアクセントが来ており、そのアクセントが子音になるケースもありうると思っています。一方で日本語の発音だけでは「Msk」は発音できませんよね。ここら辺が日本語ONLYでの無声パーカスの限界値になると考察しています。


無声パーカスはセンス

なので無声パーカスを極めるためには、

  1. 英語らしい発音は捨てて「日本語流無声パーカス」を極める
  2. 大人になったときに英語の音を知覚できる脳を持っていた「センス(正しくは幼少期の経験)」に頼る

の二択であり、多くの日本人には1しか選択肢が残されていないと思っています。

なので、個人的にはあまり海外の奏者の奏法にこだわらずに、日本語という言語の特性を生かしたボイスパーカッションを目指すのが得策なのではないかと思いますが、リードボーカルが歌う歌詞がコテコテの英語だった場合は、拍感の都合上、英語的な無声パーカッションの方が親和性が良い(※)と思うので、ここは悩ましいところだなと思いました。

※ストレスタイミング/シラブルタイミングの話

次回は、そもそも脳みそが英語の発音を知覚できないことを前提に、どんなアプローチ(英語的な英語の発音を諦めるにしてもどんな表現にするのが良いのか、もしくは諦めない場合はどんな練習方があるのか)があるのか、考察してみたいと思います。


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