【アカペラ】新型コロナウイルスと学生アカペラ


僕は今ものすごくアカペラしたい

僕は今、ものすごくアカペラが恋しい。

社会人1年目の冬、2016年2月に精力的に取り組んでいたバンドの卒業ライブを終えてから、月に1回歌うか歌わないかの細々とした活動を続けてきたが、今は1月からずっと歌っておらず、こんなに歌わないのはアカペラを始めてから初めてかもしれない。

このコロナの情勢が出来上がってから、趣味のカラオケも自粛気味になり本格的に歌っていない。


コロナがもたらした良い変化

歌えないながらも、コロナがもたらした良い変化もあると思っている。

リモート多重録音や、オンライン呑み会である。

物理的な距離で離れたメンバーと気兼ねなく演奏したり、お酒を片手におしゃべりできるのは大きな魅力である。いや、別にコロナが蔓延する必要はなかった。だが、コロナによって、リモート多重録音やオンライン呑みの文化が急激に広まったのは、きっと事実だろう。

特にリモートやオンラインになることで「誘う」心的ハードルも低くなったように感じる。「誘われる方」としても家にいながら活動できるのが素晴らしい。

金欠だから足を伸ばせない、時間がないから足を伸ばせない、などの、活動の障壁も下がっているように感じる。


コロナが奪ったもの

その一方でコロナが奪ったものは、はかり知れない。その中でも、この記事では、僕を育ててくれた学生アカペラにピンを留めてコロナについて意見を述べたい。

僕は、コロナが各大学サークルのサークルライブを奪ってしまったことに胸を痛めている。中でも、多くのサークルがオーディションを設けている、年間通してのメインイベントとなっている大きなサークルライブがなくなってしまったことを思うと、本当に胸が痛い。

皆で集まって、1つの目標に向けて演奏を磨き上げていく活動は、まさしく青春であったと思う。サークルライブは言ってしまえば、運動部でいうところのスタメン/ベンチ入りメンバー争いだった。

ライバルと切磋琢磨する中で、自分の良さを見つけて伸ばしたり、自分の弱点を克服したり、上手く行かずに悩んだり、悔しい思いをしたり、その分、上手く行ったときはものすごく嬉しかったり。

社会人になってからでも、その気になれば同じような体験はできるかもしれないが、貴重な学生時代に、思い切り趣味に没頭して趣味のために全力を尽くせるときに、その機会が奪われてしまったのは心が痛い。


コロナが生み出す格差

そして、コロナは更に学生アカペラにダメージを与えようとしている。リモートアカペラだ。

リモートアカペラの機材、リモートアカペラをするための環境を持っている学生は果たしてどれぐらいいるのだろうか?

僕は大学時代から一人暮らしを始めたが、当時住んでいたのはワンルームマンションだった。部屋で歌ったことがなかったとは言わないが、部屋で歌う行為は確実に迷惑行為であり、少なくとも声量や時間帯などはかなり配慮が必要だった(トラブルになったこともあった)。

一方で僕は実家もマンションである。実家のマンションは管理規約上、音楽ができる時間帯や使用できる楽器などが明確に定められている。実は堂々と思い切り音楽できる環境を持っている人の方が少ないのではないかと思う。

さらに、学生だと社会人のように自由に使えるお金がある人は少ないように感じる(社会人でも録音機材を一式買えるお金がある人は少ないのではないだろうか)。少なくても、自分が大学生だった頃を思いだすと、月末になるともやし炒めばかり食べていた自分が録音機材を買えたわけがない。

リモートアカペラをするための機材も場所もなければ、泣く泣く活動を諦めるしかないのではないだろうか?


2020年の新歓活動

そして、こと、僕の出身サークルにおいては新歓活動への打撃が大きかったのではないかと思っている。僕の出身サークルでは、毎年GWに新歓合宿なる合宿を行っていた。

大学1年生が初めて自分たちでバンドを組んで(組まされて)、1曲完成させて披露する合宿なのだ。これがまた感動的な合宿で、先輩も1年生も毎年涙なしでは終われない合宿なのである。

人生初めてのアカペラを3日間ぐらい缶詰になって本気で練習して、初めて人前で歌って、ここから1年生はアカペラの沼に浸かっていくという合宿だ。

しかし、コロナのせいで当然合宿はできていない(と聴いている)。文化は流行り廃りするものなので、楽観的に考えれば2030年ぐらいには、またサークルも元気になっているんだと思う。ただ、後輩のことを思うと、こんな楽観的なことは言っていられない。

今年1年生が入会しなければサークル幹部の引継ぎはできない、つまり、誰かに負担がかかってしまうのだ。そして今年1年生が育たなければ、来年・再来年の1年生を指導する先輩が減ってしまう。これもまた、誰かに負荷が集中してしまうのだ。


withコロナ

おそらく、全国各地のサークルがたくさんの悩みを抱えているのではないかと思う。何より、大切なサークルライブの機会を奪われ、今後の負荷まで集中していくとなると、本当に胸が痛い。

この問題に対して微力な個人が何かできるわけではない。何かできるわけではないが、せめて、何か恩返しとして出来ることはないか、考え続けていきたいと思う。


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