皆さんテンポって大事だと思いますか?
いや、大事ですね。
じゃあ
寸分も狂いなく一定のテンポで演奏するのって大事だと思いますか?
答えはNOです。
僕は曲を一定のテンポで演奏し続ける技術はさほど大事だと思っていません。もちろん拍が飛んだり落ちたりするのはダメです。
ただ、走ったりもたついたりするのは、あまり悪いことだとは思わなくなってきました。
そんなボイスパーカッション歴7年目、ドラム歴10年目の記事になります。
皆さん、特にリズム隊の皆さん、
今までのバンドクリニックやオーディションを思い出して見てください。
所謂コーラス専門だったりリード専門の人からもらったリズムに関するフィードバックを思い出してください。
大体のフィードバックが、
グルーヴ
か
テンポ感
に関する話なのでは無いでしょうか?
それでは皆さん次に、
グルーヴとは何か自分の言葉で説明してみてください。
テンポが大事なのではなくテンポしかフィードバック出来ないだけ
これは最近僕が気付いたことです。
アカペラにおいてテンポってあんまり大事な要素ではありません。実際にプロのバンドほど巧妙にテンポを揺らして演奏しています。
では何故、オーディションやバンドクリニックでやたらとテンポばかり指摘されるのか?
理由は2つです。
テンポが一番指摘しやすい、のと
基礎が出来ていないから、です。
前者はすごく分かりやすいです。
何故ならば、審査やバンドクリニックにボイスベースやボイスパーカッションに特化した奏者がいるとテンポ感いがいの指摘もバンバン飛び交うからです。
※感じているリズムが違うとか、曲に対して音色がどーとか
しかし、アカペラの醍醐味は和音なので、和音に精通した人が音程に重きを置いてアカペラの審査をするのは理にかなっています。
そうなると、リズムに関して自信を持って指摘できることがテンポ感ぐらいになるので、あたかもテンポが最も大事な要素かのように勘違いされてしまうわけです。
同じぐらい有名かつ人気の言葉にグルーヴと言う単語がありますが、こいつを自分の言葉で説明するのは難しいので敬遠されがちです。
※本当は一番大事と言っても過言では無いのに。
それにテンポであれば、誰でも指摘できるので、テンポはすごく指摘しやすい部分なんです。
次に後者です。
とは言え、ある程度の安定感はとっても大切です。特に意図せぬ拍飛びや拍落ちが無い演奏は、リズム隊の必達要件の1つです。
それにも関わらず、カウント通りのテンポで歌い始めていなかったり、場面転換の際に謎の間があったり、基礎がガタガタな奏者が多いようにも感じます。特にボイスパーカッションやボイスベース歴1年や2年の奏者に多いのがこのパターンです。
ドラムやエレキベース・コントラバスと違い、身体で感じていなくても音が出てしまうため、リズムに乗るのがむずかしく、かつ日頃からリズムに乗る訓練をする機会がないため、なかなか基礎が堅くならないのがボイスパーカッションやボイスベースの特徴です。
そうなると、基礎の基礎の部分がないがしろになってしまうのです。出せる音の種類や一小節に入れることができる音数にばかり目が行き、本当に大切な「リズムを感じる」と言う基礎が後回しになりがちなのです。
さて。つらつらと書いてきましたが、僕はテンポはさほど大事ではないと思っています。
テンポを意識しすぎるあまりリードボーカルの表現を殺してしまったらもったいないです。
今、自分たちが演奏している歌で何を伝えたいか、そのためにはどのようなリズムや速度で歌うのが良いのか、そこから逆算してあるべきテンポで演奏できればそれで良いのではないかと思います。
※たとえ曲中にテンポが変わっていたとしても。
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