アカペラをはじめたときって色んなパートをやってみたいものです。
最初は「俺はリードしかやる気ないから!」と言っていても、「ベースってなんか楽しそうかも」とか「俺もパーカッションやってみたい!」とか色んなパートに興味が沸いて来るものです。パートに関しては「色々やるべき論」と「先ずは極める論」があるのですが、今日は後者について書きたいと思います。
僕は最初はチャレンジするパートって2つで良いと思っています。
これは1つだと危険です。
自分が何に向いているか何に向いていないかって最初はなかなかわからないものです。なので2つぐらいパートを掛け持ってみて、自分がより少ない努力でより高い評価を得られたパートをやってみるとより手早く成功に繋がるかと思います。ちなみに早い段階で成功体験を積めるとどんどん楽しくなるので、そのパートはどんどん極まります。
ここで色々やりすぎると、どれが得意だかわからなくなりますし、1個1個のパートにかけられる練習時間も減るので結局正しいジャッジができなくなってしまったり、そのままどのパートも極まっていない器用貧乏人になってしまいかねません。要注意です。
次に自分が「これで生きて行く!」と決めたらそのパートを徹底的に科学してください。
プロの演奏を聴いて、プロがどのような表現の手法を使っているのか、何を考えてどのように奏法を分けているのか、誰がどのような演奏が得意でそれは何故なのか、とことん自分と同じパートを歌っている人やその演奏に詳しくなって行くのです。そしてそのノウハウを実際に自分の演奏に落とし込むところまでやってみてください。
ここでパートを極めれば極めるだけ他のパートの上達も早くなります。
僕はずっとボイスパーカッションを極めて来ました。
元々声域が低かったこともあり、ミドルと言われる音域が苦手で歌ってもベースか裏声で行けるトップの音域の音ばかりでした。なんなら有声パーカッションでも声が低過ぎてバスとスネアの音程さが出なかったので、スネアを裏声で打つ等の工夫をしなくてはやっていけない程でした。
そんな僕も最近コーラスやリードに挑戦しています。
しかしパーカスに比べて経験が浅い事もあり、自分の理想通りの演奏からはほど遠く自分のリード力やコーラス力に絶望するんですよね。それで本腰いれて勉強し始めるわけです。
そしてここで気付くんです。
- 「リードボーカルが1曲の中で入れている表現を全部聴き取ってノートに起こしてたけど、これってパーカス研究する時にやってたのと同じやん。」
- 「聴き取ったインプットを再現するのにボイスメモに録音して再生してを繰り返してるけどこれもパーカスの時と同じだ!」
- 「コーラスするとつられてしまうな・・・。どうしよう。まてよ?パーカスの時も周りが走るとつられたな?あれ?」
- 「自分が出すべきグルーヴをしっかりと理解して1人で歌えば確実にそれが出せるように練習した上で周りと合わせる練習したから・・・」
こんな感じで他のパートを極める時に極めたやり方って他のパートをキャッチアップする時にも生きるんです。キャッチアップのやり方がわかっているのと、そうでないのとでは、完成した時のクオリティに大きな差が生まれます。1つのパートしか歌えないのは問題がありますが、極めたパートが1個も無いのも大きな問題となります。
当然ながら何かを極めたからこそわかることってありますし、何かを極めると「無難な意見」だけではなく「尖った意見」を言えるようになります。
色んなパートを経験し、色んなパートの視点から考える事が出来るのも大切ですが、せっかくバンドには4〜7人ぐらいの人が居るのですから、1人1人がプロフェッショナルな尖った意見を持ち寄れるとバンドって面白くなるのではないでしょうか?
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