Reunion by Marc Sabatella
おなじみmusescore1.3までのトップ画面に表示されていた楽譜です。
こいつを眺めてみると楽譜に沢山の英字が記されています。
前半部分の音楽記号を少し拾ってみましょう!
【前半8小節ぐらいまでに登場する奴ら】
- andante con moto ほんのり活発に演奏する
- piu mosso 少し早くする
- rit. 遅くする
- poco rit. 少しずつ遅くする
- tempo primo 最初の早さで演奏する
- mp やや弱く演奏する
素人が書いたアカペラ譜だと
なかなかここまで詳細に表現が記された楽譜ってないですが、
オケの楽譜等をみると指揮者のために詳細に表現が記されています。
そこで今日はより良い演奏をするために
良い楽譜の写譜や譜読みをオススメするための記事でも書こうかと思います!
今回僕が1番刮目して欲しいのはテンポの記し方です。
musescore1.3の楽譜ではandanteと書いてあります。
andanteとは単純にテンポ120前後を指す記号ではありません。
andanteが与えている指示は正確なテンポ120ではなく「歩くような早さ」です。
逆に言えば「歩くような早さ」が「テンポ120」だったわけです。
なので極端な話をしてしまうと
お年寄りにとってのandanteは
もしかするとテンポ80かもしれないわけです。
また同じく120ぐらいのテンポを現す
vivoと言う言葉があります。
こいつは「活発に」と言う意味の音楽記号です。
graveという言葉でテンポを現すと
「ゆったりと荘厳に」と言う意味になります。
※graveは物凄く遅いイメージです。笑
このように偏に曲のテンポを現すための文言でも
単純にテンポ120のように表現せずに
「こういうイメージのテンポでおなしゃす!」と言う風に
感覚的に伝えてくれるのが楽譜なのです。
これは僕の持論ですが僕は100%の暗譜は不可能だと思っています。
楽譜に書かれている情報ってそんなに薄っぺらいものじゃないです。
だからこそ練習では定期的に楽譜を見直す必要がありますし、
そもそも楽譜が読めないのは音楽をやる上で致命的だと思っております。
参考:【アカペラ】表現の手段と目的を明確化しよう!
先週こんな記事を書きました。
内容としては「玄界灘の荒波を表現したい!だからここを大きく歌う!」と言ったように
表現手法とその手法によって実現したい表現(目的)を明確化しましょうねというものです。
ここでも書いたように
「テンポ120」は「vivo」や「andante」を現す手段でしかないのです。
もっと言ってしまえば「vivo」や「andante」も
春の花に囲まれた山道をハイキングする少女の様子を描画するための手段にすぎません。
表現すべきものの道筋を示してくれる地図が楽譜です。
宝探しをするのに地図を読まずに旅に出る人は居ませんよね!
「地図が無いのが楽しいんだ馬鹿やろう!」って方もいるとは思いますが
この広い地球上から宝を見つけるのに地図がなかったら一生かかっても終わりません。
楽譜に書かれた謎のアルファベットは
表現を作譜者の意図した場所へと導く宝の地図なのです。
今回はたまたまテンポ記号の話しが多くなってしまいましたが
合わせて昨日書いた記事も読んでいただけると幸いです。
【アカペラ】原曲のテンポにこだわるべからず?
こんなこと言ったら怒られるのかも知れませんが僕は原曲のテンポに拘ってかっちりとテンポをはめることってあんま大事だと思いません。 http://t.co/YU8jIoTEJ4 pic.twitter.com/2mmeviRLZx
— mokabuu.com (@mokabuucom) 2015, 9月 30
僕が原曲のテンポにさほど拘っていないのは
テンポ120と言ってもvivoもandanteもありうるからです。
歩くような120なのか
踊るような120なのか
元気よい120なのか
跳ねるような120なのか
大事なのは120によって表現される”ナニか”であり
それを表現するためには必ずしも120ぴったりである必要は無いのです。
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