いきなりですがこれは僕の持論です。
難しい技術を誰でもできる技術に落とし込める人は天才である。
難しい技術を難しく言うだけのコーチは必要ない。
僕は常にこのスピリットをもってアカペラに取り組んできました。
例えばアカペラを初めて1年にも満たない時に「お前のuhコーラスは音が硬いから柔らかくしろ!」とフィードバックされても、「は?お前は何を言っているんだ!」と思うに違いありません。
だからこそ、僕は専門的な知識やテクニックを有する「難しいこと」をしっかりと体系立てて「誰にでもできること」として説明できる人は天才だと思っています。
僕はボイスパーカショニストなので「4ビート」を例にあげましょう。
これをアカペラをはじめて3ヶ月のパーカショニストに教える時みなさんならどうしますか?
- ボイスパーカッションの音は出せるか?
- 曲に合わせてリズムを刻んだことがあるか?
- 4ビートがどんなリズムかしっているか?
僕ならまずはこの辺を確認します。
ある技術を伝授する際には「何ができたらできるのか」が見えていないと到底教えることはできません。
例えばアカペラを初めて3ヶ月の人にこんな質問をする人がいます。
スネアは何種類打てる?
この質問って相当いけてないですよね。
聞かれた人にしてみれば
「え?スネアって何種類もあるの?」
って感じるでしょう。
僕なら相手がアカペラ3ヶ月の人ならこう聴きます。
「スネア打って見て!」
「なるほどね!他にスネアの出し方って知ってたりする?」
こうやって聴くことで「他にも出し方あるんだ!」「どんな出し方があるのかな?」と言う方向に誘導することができますよね!
前者だとビートボクサーならKネスアを想像するでしょうし、ドラマーならピッコロスネアとかを想像すると思います。そして未経験者はあなたの日本語はきっと理解できません。
※逆にパーカス歴10年の人にKスネアの説明から入ると逆に要点がわかりにくくなります!必ずしも丁寧に説明するのが正義ではなく相手の立場に合わせた説明が大事です。
では話を戻して、
アカペラ歴3ヶ月のパーカショニストに4ビートの指導をするとしましょう。
この時「スネアの音色の種類」について話す必要あると思いますか?
無いですよね。
ゴールが「4ビートの演奏ができること」であれば、そこにフォーカスしたアドバイスをするべきです。
音色が良いとか悪いとか、4ビートの他にはどんなビートがあるかとか、そんな話はどうでもいいんですよね。知っておいた方が良いことと、今知るべきことって雲泥の差があります。
あれこれ情報を盛り込むと何が大事な情報かわからなくなります。
結果「難しい技術がもっと難しく聞こえる原因」をつくってしまうのです。
「難しい技術を誰でもできるように」するのであれば、シンプルな説明を追求するのが大切です。
特に「人に依存した感覚」が多くを占める音楽だからこそ「難しい技術を簡単に」は難しいです。
難しい技術を誰にでもできる技術として紹介するためには、
- そのために必要なスキルセットを明確にすること
- 相手の立場で説明手段を練ること
- 本当に必要な情報は何か教えるべき内容を精査すること
が大切になります。
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