【アカペラ】人にものを教える時になんとなくわかるは非常に危険な状態


指導者に理論は必須

自分の感覚ベースで指導する指導者はリスキーな指導者です。

そもそも、指導するためには何かを考えていなければ指導できないのですが、この考えるという行為は非常に属人的なものなのです。

人は物事を考える時には、必ず自分の過去の経験と照らし合わせて考えます。

例えばこんな感じです。

経験:ドとミは3度だから綺麗にハモる!

思考:主旋律の音がドだ!ミを出せばハモる!

自分が過去に体験したり見聞きした情報の中でしか人は選択肢を絞れないのです。

応用が効く人も結局同じです。

経験:ドとミは3度だから綺麗にハモる!

思考:主旋律の音がレだ!レと3度の音を出せば綺麗にハモる!ファ#を出せばハモる!

これだけ一見すると、感覚でわかって入れば指導できそうな気もしますが、実はここには大きな落とし穴があるのです。


ドになんの音でハモる?
ドに対してハモる音をピックアップしてみましょう。
ミ♭、ミ、ファ、ソ、ラ♭、ラ
あたりはとても綺麗にハモると思います。

つまり、私たちはドに対してハモる時に、無意識に自分の経験から数ある選択肢の中から音を絞ってハモっているのです。

じゃあ仮に「ファ」を選んだとしましょう。

この時、感覚で何故を説明すると危険です。

例えば、

ラの音が聞こえたから、ファラドがハモることを思い出してファでハモった

感覚で歌うってこういうことだと思います。

別に個人で演奏するぶんにはこれでも良いと思います。

感覚で正解にたどり着ければそれでOKです。

でもその感覚って個人の経験や知識に依存するため、他人に指導する時に属人化した情報を基盤にしてしまうと危ないのです。

おそらく先ほどの例だとこんな感じに思考回路になると思います。

ドとラの音が聞こえた。
確かファラドって和音あったな。
よし、ファを出そう。

ただ、ラドミも有名なコードですよね。

この思考回路だと別に「ミ」だってよかったわけです。

なので、
教える時は「ファラドは綺麗にハモるからファだよ!」ではダメなわけです。


理論は思考を共通化するフレークワーク
思考はかなり属人化したものなので、そのために理論が存在しています。

思考のベースとなる、知識や経験を共通化するための理論です。

つまり、共通化されたフレークワークをしっかりと理解して、そこから順に伝えないと結局「属人化された一個人の意見の押し売り」になってしまうわけです。

意見を言うのは大切なことですし、意見をもつのも大切なことですが、その意見が明らかに安っちいものだったら最悪ですよね。

「僕はこう思う!」

は結局、属人化した経験から得られた思考の成果物であって、そこに汎用性はありません。

体系化して、人に指導して広めていくからには、しっかりと万人に共通のフレークワークの上で展開する必要があります。

是非、指導者は「あなただけのオレオレ思考回路」の上に展開されたノウハウやナレッジではなく、「体系化された理論」の上に展開されたノウハウやナレッジを伝えることを意識してみてください!


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