音楽の難しいところの1つに
絶対的な正解が存在しないことがあげられます。
誰もが不快に思う絶対的な不正解はあるのですが
誰もが心地よく感じる絶対的な正解は存在しません。
フィードバックをくださいと後輩に頼まれた際に
その演奏が凄く好き嫌いが別れそうな演奏だと
非常に悩ましい気持ちになります。
批判するであろう人達のコメントなんて
容易に想像がつきますし
ただ火の無いところに煙は上がらないわけで
味のある良い演奏だからこそ好き嫌いがハッキリと
出てしまう諸刃の剣だったりするのです。
例えば僕が大好きなVox OneのChameleonのアレンジは
Jazz出身者の間では賛否両論です。
特に僕の周りに居るアコースティックのベーシストは
“あの15拍子が許せない”と言う方が多いです。
CARAのベストジャズアルバムを受賞している
Chameleonの代表アレンジですら賛否両論あるのですから
当然素人の音楽なんてもっと賛否両論でます。
この少ない音数と空弾きだけで奏でられる
ベースリフに魅力を感じているベーシストは少なく無いです。
そして原曲を愛しているが故に
他のアレンジが受け入れ難いのでしょう。
YouTubeのコメント欄でも同じような現象を良く目にします。
VS
「原曲レイプだ!!!!」
のせめぎ合いです。
カバーを歌っている限り絶対にこの論争は生まれます。
どんな演奏をしても一定数原曲が好きな人がいて
その人達にとってみれば自分たちが好きなポイントが抜けていたら
それだけでそのアレンジは受け入れ難いものになりかねないのであります。
だからこそ僕はMCが大切だと思うのです。
出来るだけ喋らぬ音楽に想いをのせて
それを演奏で伝える努力もすべきですが
如何せん音楽は喋りません。
聴衆の音楽への理解度によって
歌い手の音楽への理解度によって
伝わる内容にも誤差が生まれます。
だからこそ僕はそんな喋らぬ音楽のために
人が代弁するのがMCだと思っております。
今から自分たちが歌うのは誰のどんな曲なのか。
その曲やアレンジにどんな思いを乗せるのか。
その曲を聴いて何を感じ取って欲しいのか。
本来オリジナルアレンジをしているのだから
当然原曲とは違った何かを
表現しようとしているはずなんです。
だからこそそのメッセージを
より100%に近い純度で伝えるためにも
MCを大切にして欲しいなと僕は思います。
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