— 態度が悪いはなこ(ナカイショウタ) (@s_n_07_09) 2016, 1月 3
寝正月で昼夜逆転をかまし
正月最後の休みものこのこと昼過ぎに起きて
とりあえずtwitterを開いてみると
こんなスクショが拡散されていました。
うむ。
確かにこれは酷い。
少なくとも僕は北村嘉一朗さんと言う
世界が認める一流日本人パーカショニストを知っています。
ってこれ僕の記事じゃねーか!
ってことで「日本人がプロでも無声が演奏出来ない理由」を
もうちょっと明確に記事にしようかなと思います。
参考:【アカペラ】僕が無声パーカッションをはじめた本当の理由。
今回燃えてた元記事になりますが、スクショの箇所の次のチャプターで”それでも敢えて無声で演奏することで教授できる恩恵”についても記載しております。もし良かったら是非お読みください。
まず上記の記事の書き方が良く無いですね。
正確には「日本人」ではなく「子音で終わる言語を話せない日本人」ですね。
参考:[ 連載 ] 子音は音、母音は声!? 【英語のための日本語講座 vol1.】
こう言う書き方をすれば良かったのでしょう。
日本語にも確かに子音はあります。
だけど英語に比べると圧倒的に子音のバリエーションが少ないのです。
これに加えてやっかいな壁が立ちはだかります。
参考:臨界期仮説
この2つが参考文献と言ったところでしょうか。
言語習得の観点から見ると人の脳は一定の年齢までに聴いて来なかった音は
知覚することが出来なくなると言う説があります。
ここで無声パーカスに話しを戻すと、例えば、
一定の年齢までにthとshの発音の違いを聴いて来なかった日本人にとって
無声パーカスの奏者がshとthで差別化をしている音がわからないのであります。
さらに聴こえない音に細かいピッチや音程をつけることが可能なのかも疑問視すべきです。
“f, k, p, s, sh, th”この6つの子音を明確に使い分けられますか?
これって実は過去形の”ed”の発音の使い分けに使うための大切な子音です。
この子音がしっかりと区別出来なかったら過去形の”ed”ですらしっかり発音出来ないんですよ。
それなのに子音だけで音程やピッチを操作するのはちょっとキツいように感じます。
あくまで僕の主観ですが。
“とってつけたような日本語っぽい音程”と言う言葉が動画中にも登場しましたが
これは無声パーカスにおいても言えるんじゃ無いかなと思います。
子音ではなく母音で音程がついてしまっているのです。
それで1個上のカラムに記載した内容に戻るのですが
喉でついている音程って母音であってそれって声じゃないですか?
声を使うのって”有声”パーカッションですよね。
そういう意味で外人みたいに無声音で音程つけている奏者って
少なくとも“日本語onlyの奏者”では居ないのではないでしょうか?
※決して日本人奏者では居ないではなく日本語onlyの奏者では居ないに言い方を訂正させていただきます。
もちろん僕がそういった奏者を知らないだけなのかもしれませんが…。
この動画では前半部分で日本語なまりの英語のモノマネをした後に
後半部分で英語のアクセント自体はコミュニケーションにおいては
さほど致命的な問題にはならないと言っています。
が
ボイスパーカッションって完全にアクセントですよね。
言葉としての意味を持たない”音”だからこそしっかりと発音する必要があって
特に外人の無声パーカスが持つ情報をしっかりとコピーしようと思ったら
どうしても無声音だけで表現するのって難しいんですよ。
でもそれをしっかり自分の中に落としこんで
自分が得意な表現の方法に変えてやれば良いんです。
そうなった時にじゃあ無声パーカスが
その自分(日本語onlyの奏者)が得意な手段になるのかと考えると
なかなか難しいものがあるのではないかなと僕は思います。
打撃音一打一打の音程や
場面場面でのシンバル系サウンドのピッチの調整や
細かいシンバルの打ち分けを表現する子音の使い分けや
それをしっかりと苦手な英語で表現出来るのか問いたいのです。
リードやコーラスが英語の発音について言及されるのと同じじゃないですか。
なんでパーカスだけ原曲そのままカバーしてて発音について言われないのか?
なんでリードに対して英語の発音がネイティブじゃないと言っても怒られないのに
パーカスに対して無声のスネアの発音がネイティブじゃないと言うとバッシングされるのか
本当にそこの差異が果たして本質的なのか僕は疑問視しています。
もちろん日本人の奏者にも無声パーカスが上手な方は居ます。
これは僕の書き方が悪かったです。
この場をかりて深くお詫びを申し上げたいと思います。
大変申し訳ございませんでした。
その上で1個疑問を投げかけたいです。
じゃあ仮にVox Oneのコピーバンドを探してみましょう。
帰国子女の皆さん。
リードを見るのと同じ目でパーカスの発音を聴き比べてみてください。
絶対音感の皆さん。
コーラスを見るのと同じ目でパーカスの音程を聴き比べてみてください。
このとんでもなく多才な表現を無声で出来るなら良いのですが
日本人には当然誇るべき日本語がありますし
それをわざわざ訛りが出る英語でやる必要って本当にあるのか疑問は感じます。
Paul Stillerが意図的に行ったのか
たまたま彼の類い稀な音楽センスがそうさせたのかは分かりませんが
事実彼の演奏には正確なピッチや細かい子音の使い分けが存在します。
それが彼が表現したVox Oneのドラミングだと僕は思うので
僕はそれをちゃんと汲み取って演奏したいなと思います。
※特に音程は克服出来ても子音の細かい使い分けは
そもそも知覚出来ていない可能性すらあるのでかなり難しいと僕は思います。
ただ一流の奏者を見ていて思うのは
無声only・有声onlyと言った風に使い分けている人って居ないと思うんです。
その場で声を使った音が最適なら有声音を使うし
声を使わない音が最適なら無声音を使うし
僕は有声無声に拘ることほど意味の無いことは無いのかなと思います。
その上で敢えて言わせていただくと
日本語って本当に無声パーカスと相性が悪い言語だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。もしこの記事を気に入って頂けたようであればシェアをお願い致します。非常に励みになります。