ボイスパーカッションを極める
僕はちょうど10年前の今頃ボイスパーカッションをはじめました。
もともと軽音サークルでドラムをやりたかったはずが、友人の影響で気づいたらアカペラサークルでボイスパーカッションをやっていたのです。
社会人になってからは、
- 仕事
- 交友関係(呑み会など)
- アカペラ
の優先順位で生きてきたので、歌う機会は減ってしまったものの、歌ってないくせに「あ!これってこういうことだったんだ!」という気付きがあったりするのが面白いものです。
その中で先日「極める」と言うことについて考えるきっかけがあったので記事を書きます。
※ちなみにCOVID-19のパンデミックに伴い#2と#3と疎遠になったため恐ろしく仕事に集中できるようになったのは内緒です
成長の感じ方が変わる
ボイスパーカッションに出会った直後は「音の出し方」や「8ビートが打てるか」を気にしていました。
なので「あの先輩と同じ音が出せる」とか「あの先輩のビートを完コピできた」とか、「誰かと同じことができる」と言うところを成長の基準に考えていました。なので「同じ音が出せたからあの先輩と同格」とか「先輩と同じビートが刻めるから先輩と同格」とか考えがちでした。
でも後輩が入ってきて自分がバンドを指揮していく立場になると考え方が変わったんですよね。
「先輩があの音にたどり着くまでの思考をコピーできていない」だったり「先輩があのビートを生み出すまでの思考をコピーできていない」と言う事実に気づけるようになったのです。結局、誰かが生み出したものをパクる以外の能がなく、自分じゃ何も作り出せないと。
じゃあ今度は音やビートを作れるようになったらどうなったかというと「曲中で1音だけ特殊なスネアがある」とか「曲中の転調」とか、もっと表現に関わるディティールの部分が見えるようになり、そして気になるようになりました。
つまり、バンクリや審査で偉そうに色々と語っていますが、何かを極めようとした時に終着点などなく、向き合っているテーマのトンネルを抜けることには次のトンネルに入っているのです。
僕はこの当たり前のことをボイスパーカッションから学びました。
常に進化を求め続ける
常にトンネルの中を進み続けるために「好奇心を持って突き詰め続けること」が大切だと思っています。これは仕事も趣味も、何かを極めようと思ったら同じなんだと思います。
あつたろうと言うバンドには絶対音感保持者が数名いるため、最近こんな企画をしています。
https://xn--l8ji8eta0s.tokyo/sound-quiz/
「絶対音感診断テスト」です。この中で、あいらがこんな記事を書いてくれました。
https://xn--l8ji8eta0s.tokyo/2021/06/08/739/
大事なのは下記の赤枠の部分です。
ここで僕は気づいてしまったのです。
僕には先輩から伝授された伝家の宝刀「オープンリムショット」と言う技があります。有声音のスネアと無声音のリムショットを同時に出せる代々K.O.E.のパーカッションに伝わる大技です。
ここにRag Fairのおっくんや、Vox OneのPaul Stillerから影響を受け、有声音に明確に音程をつけて演奏する技術までは辿り着きました。
でも「無声音を使って複数の音を意図的にコントロールして鳴らす」ということは考えてこなかったのです。これって伸び代でしかないですよね?
いや、アカペラの演奏にドラムさながらの倍音マシマシのスネアは不適かもしれませんよ。でも、効果的に厚みのある倍音を綺麗にコントロールしたスネアが鳴らせたら最強ですよね。少なくとも画期的だと思います。その延長で倍音を崩した楽器、例えばチャイナシンバルなんかを再現できたらこれも画期的ですよね。
好奇心を持って学び続ける
楽器のスネアはいろんな音がなっている(当たり前)、そしてその中でも強い音弱い音がある(人間の声だってそうだ)、こんな当たり前のことに気づいておらず、演奏に取り込めていない自分がいたことにも衝撃を受けました。
自慢ではないですが、僕は言われた音でスネアを打てます。
でもそれは「一番強い音」しか表現できていなかったのです。僕は「StillerのD♭からEへの転調を完璧に演奏できる」と思っていましたが、もしかするとStillerは「D♭以外にも裏でなっている残響音」をコントロールしていたかもしれません。
でもこれって複数音を同時にコントロールしようとする頭がなければ、到底聞き取れない/インプットできない領域だと思うのです。
絶対音感という能力に興味を持ち、友人を生贄に捧げて絶対音感をおもちゃにしたからこその気づきであり、常に好奇心を持って新しい情報を吸収して学び続けることの大切さをあたらめて痛感しました。
特定のパートを極めるということ
僕は「極める」ということをボイスパーカッションから学びました。
- 極めるということに終わりはない
- 進化を求め続ける
- 好奇心を持って学び続ける
次の10年で、今度はボイスパーカッションは僕にどんなことを教えてくれるのか楽しみです。
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