参考:http://mokabuu.com/voice-percussion
上記のカテゴリでは毎回ゲストを招いて対談やセッションをしております。
そして今回初の試みでアカペラをまったく知らない友人に対談を持ち込んだところ断られてしまいました。
ちなみに対談を申し込んだ彼はギター1本だけもってバスキングでアメリカを縦断した強者なのですが、彼に断られた際にはっきりと明確に彼が僕と対談やセッションをしたくない理由を述べてくれたのでそれを紹介したいと思います。
まずはじめの理由です。
「フィルインが非音楽的」
彼はこう言いました。
「タムやエフェクトシンバルを使い過ぎだよ!スネアだけでいけた今の部分なんでその余計な音を使ったの?」
彼は僕のフィルインを聴いて奏者のエゴだと言いきりました。しっかりとバスとハイハットとスネアだけでも作れるにも関わらず何故僕はタムやエフェクトシンバルに手を伸ばしたのか?その音を使う事は僕のエゴだと言うのです。なるほど…。
「(アメリカで)色んな人とやってわかったけれど、アジア人や白人はタムやエフェクトシンバルに頼りすぎる。シンプルさや純粋にリズム自体の美しさが無い。」
「そんなエゴにまみれた奏者とはやりたくない!」と言うのが彼の意見らしいです。なるほど。そう言えば確かに以前ベーシストの大吉君と対談した際にも「(スネアだけで)凄くシンプル」だけど「(拍の取り方や重心をマイナーチェンジしていて)凄い複雑」って言う言葉が出て来たのを思い出しました。
「あのね。そんな音を安定させようとして音圧減らして楽して出すんだったら誰だって音色は安定するんだよ。一流のピアニストはフォルテの時に凄く力入れて演奏するけど音ぶれないでしょ?一流のドラマーのストロークも凄く激しいけど音ぶれないでしょ?」
そう言われてしまいました。
確かにそっと音色の安定やテンポの安定やリズムの安定を計って音圧を落とせば当然音もリズムも安定はします。
でもそれじゃダメだと。
音圧を落としたらそれは安定するのは当たり前であって、一流の奏者はフルストロークで演奏しても一切ぶれないからそこが一流なのだと。僕のように力を抜いて80%ぐらいで安定した演奏をしていても何も来ないと言われてしまいました。確かにプロのアコースティックの方々は100%で演奏しても安定しております。
「100%出さないでエナジーセーブモードで演奏したらそれは安定するのは当たり前で、100%出しても安定するように練習しなさいよ!」と言われてしまいました。
「君の演奏はうるさいんだよね。例えば4拍目の縦がベースとズレたから1拍目のクラッシュの部分で合わせようとしているのが聴いていて伝わって来てしまう。演奏中に考え事があまりに多くて聴きづらい。」
返す言葉もありません…。
ちなみに彼はこう補足してくれました。
「ピアノのコンサートとかでも一流の奏者になるとどこか恐怖すら覚えるような冷たさや静かさがあるでしょ?君の演奏にはそういう冷静さや“怖い程静か”が無い。」
確かにクラシックのコンサート等のあの静けさは出せていませんでした。僕はジブリが大好きで久石譲さんのピアノのコンサートを聴きに行った事があるのですが、あの独特のピリピリとした空気感や演奏中の透き通ったような透明感や冷たさは出せていなかったなと思います。その原因は僕が演奏中にごちゃごちゃ考えすぎているせいだと言われてしまいました。
「考えているうちは演奏に集中出来ていない証拠。考えなくても出来るようにならなきゃ!」
ごもっともです。
ってな感じでぼこぼこに言われ結局対談は丁重にお断りされてしまいました。
仲の良い友人だっただけにショックですが、普段アカペラ畑でぬくぬくとしている僕にとってこのように全くアカペラに精通していないからこその意見を貰えるのは嬉しい事です。
最後に彼はこう補足してくれました。
「アカペラだったら凄く素敵な演奏だと思うよ!だけどもしも楽器とやって行きたんだったら改善した方が良いと思うな。」
純粋に悔しかったです!
同じ学生マンションに住む友人も音楽家の先生にアカペラのプロの音源を聴かせたところ「つまらない。」と一蹴されてしまったことがあると言っていました。
普段アカペラばかり聴いているとなかなか気付けない事とかもあったりします。音楽と言う海の中にぽつんと浮かぶアカペラ島に僕はいま暮らしています。
「アカペラに全く精通していない海の向こうの人がその演奏を聴いたらどう感じるのか」と言うところにより敏感になって練習をしていかないとなと思いました。
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