【アカペラ】ボイスパーカッションの音の出し方を練習するのは野暮。


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僭越ながら今年もサークルの後輩が主催している「ボイスベース&ボイスパーカッション合宿」で喋らせていただける事になりました。

それに際して先日ロケをして来たときの写真がアイキャッチの写真です。どうも!



いろいろベースもパーカッションも関係なさそうな写真ですが僕は本気です!どうも!

今年もサークルには沢山の後輩が入って来てくれまして、果敢にボイスパーカッションと言うパートに挑んでくれている子も沢山います。そんな子達に向けて僕が猛烈に後悔していることを少し紹介したいと思います。

「これをしっていたらもっと早い段階で上手くなれた!」
「なんで今の演奏が出来るようになるまでこんなに時間がかかったのか。」
「今1年生に戻れるなら何から練習をするか。」

まああくまで僕の個人的な意見ですがつらつらと好き勝手書きたいと思います!


まずですね!

「音の出し方教えてください」とか「その音どうやって出していますか?」って質問は絶対にやめてください。ボイスパーカッションの練習において音をならせる事程ナンセンスなことってないです。特にアカペラのボイスパーカッションをやりたいならばその練習は大げさに言ってしまうと邪魔なものでしかありません。

言ってしまいましょう。
エイトビートなんて「ずんちゃ・ずずちゃ」って言っていれば事はたります。まあドラムに近い音を出せればそれにこした事はないですが、そこから入ってしまうと音色厨になってしまいます。音色厨は悲惨です。

「ボイスパーカッションとして○○だ。」と考えるようになったら危険です。あなたは1人で演奏しているんじゃないんです。バンドの中のボイスパーカッションです。常に「バンドとして○○だ。」と言う意識を持つようにしましょう。


では音色厨が悲惨で音を出す練習をしなくて良いならば何をするべきなのか?

僕が今1年生の入り立ての頃に戻れたら「テンポ感を養うトレーニング」「リズムトレーニング」をします。お恥ずかしながら1年生のころの僕は8分休符の裏で3連系のフィルを入れる事ができませんでした。更に音色や音圧を意識しすぎるあまり「リズム」や「テンポ」がないがしろになっていた部分がありました。

これって球は早いけれどストライクが入らないピッチャーと同じです。ついでに言ってしまうと早いだけのピッチングマシーンの球と同じです。パッと聴き上手いっぽく聴こえるので自己満足に陥りやすいですが音楽的素養が圧倒的に欠如しています。

僕はそれに気がつくのに1年半かかりました。


「リズム」と言っても「シャフル」「スウィング」とかそう言うのはいいんです。いいっていうのはやらなくて良いでは無く知っていて当たり前の大前提なのです。

その「リズム」を、例えば「16ビートのシャフルをどうやって料理するか?」「リズム」なのです。


これはボイスパーカッションに限った事ではないのですがアカペラ程不完全な音楽ってないんですよ。

「ピアノはドを押せばドは鳴ります。」
もちろん細かいピッチの調整や音の固さ等はプロフェッショナルなスキルが無ければ自在に操る事はできませんが、とりあえずドは簡単になるんです。ドラムも同じです。とりあえず音はともかくスネアを叩く事は誰にでも出来ます。つまり音や和音はある程度鳴る状態から始まるのです。

しかしながらアカペラは違います。
そのためなかなか楽器を使った演奏者が気を使っている細かい表現がないがしろになりがちです。これはある種仕方ない事でもあるのですが、そこに気を使えなければ「表現」としても「音楽」としても「不完全なもの」で終ってしまいます。


では今改めて僕が「不完全なボイスパーカッション」をより「完全なもの」に近づけて行く上で何からやっていくか書いて行きたいと思います。

  • 【テンポ感のトレーニング】
    別に完璧なもので無くても良いですが不自然な拍とび等は不快感を産みます。また臨機応援に多少のテンポのズレを許容できることも大切です。機械じゃなく人間が演奏する魅力の1つに拍が均等でないといったことがあげられます。どこに拍を置くか。ここが1個の表現であり、そしてそれを行うためには正しい拍の位置を把握している必要があるのです。
  • 【ノリをつくるトレーニング】
    これはまた後日動画をあげたいと思いますが、ノリには大きく分けて2つあります。「前ノリ」「後ろノリ」です。マイケルジャクソンさんなんかは両方を織り交ぜた高度なノリをつくりだしています。それが彼の心地よいダンスとリズムを産み出しているのです。そして「前ノリ」ならば少し前に拍を「後ろノリ」ならば少し後ろに拍をずらす必要があります。
  • 【ピッチ・チューニング】
    生のドラムは曲のキーに合わせてチューニングされます。また一流の奏者はチューニングがきかないシンバル系の音も曲のキーで周りとピッチを合わせて叩きます。僕はもっと早くこのドラムの音程のルールを知りたかったです。今ならば胸をはって言えます。音の出し方を練習するのは「ずんちゃ・ずずちゃ」で曲にパーカスを溶かせるようになってからにしましょう。じゃないとどれだけ良い音が鳴っていても不快で邪魔な音でしかないです。

上の箇条書きには加えませんでしたが、メロディーを聴いてそこに適切なリズムでアプローチする技術はテンポ感と同じぐらい大切なものでありまたボイスパーカッションをやっていく上での大前提となります。しっかりと様々なジャンルの音楽を聴きましょう。それでも分からなければ本を1冊かって勉強したほうが良いかもしれません。


ボイスパーカッションの訓練には根気と忍耐が必要です。
直にそして分かり易い形で結果が出る「音色の練習」に没頭しがちですが、今思うと後悔しかないです。音の出し方の練習とか正直どうでも良かったです。やっているうちに鳴るようになりますし、いくらチュートリアルを見てもそれは意味が無いんですよ。

見ているチュートリアルは「ボイスパーカッションの音」なんですよ。
ボイスパーカッションってドラムの音を口で表現するパートでしょう。それなのに二次的なものを聴いて他人の解釈を聴いてもそれは二次的なものでそんなもの練習しても上手くなるはずがなかったんです。

ドラムの音を聴いて妥協無く自分で満足出来る音がなるまでひたすら試行錯誤する。その段階で他人の奏でるボイスパーカッションの模倣はあっても良いと思いますが他者のドラムの模倣例の模倣から入るのは上達をして行く上で余計な偏見を植え付ける邪魔なものでしかなかったです。なによりその事に気がつくまでにあまりに時間がかかりました。


僕のオススメはBuddy Richです。
彼のドラムは音色・ピッチ・リズム・テンポの全てが共存しております。もしもボイスパーカッションをやってみたいって方がいらっしゃいましたら、まずは自分で色んな曲を聴いて好きなドラマーを探すところからはじめてみてはいかがでしょうか?


【補足】
他者が模倣しているドラムの音の模倣は意味が無いと書きましたが、もしもあなたの理想としているドラムの音と他者が模倣しているドラムの音が近い場合は別です。声を使ってその音を表現している前例があるわけですから、その奏者の音の出し方を研究してみてください!おそらくそこに何かしらのヒントが隠されていると思います。


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