先日僕が所属しているアカペラサークルの歴代のOB・OGさんから現役の1年生までが一堂に集う伝統イベント「慶声会」がありました。
その際に昨年までお世話になっていたボイスパーカッションの先輩とお話する機会がございまして。実は僕と先輩はいくつか「2人とも演奏したことがある曲」がありまして、その曲をめぐってある議論を交わす機会に恵まれたのです。
「voxoneのlovin’ youと言う曲のメロでは何故オープンハイハットを打つのか?または打たないのか?」
ちなみに僕は俄然打つ派です。
それでは僕が何故そこでオープンハイハットを入れているのか?なかなか「ボイスパーカッション視点でなんでここでこの打楽器を打っているのか」と言うのも語る機会が無いので是非この場をおかりして、「8分音符1個分のオープンハイハットの存在意義」について書いてみたいと思います。
【参考・僕と先輩の演奏】
まずは僕の持論の展開の前に僕と先輩がそれぞれ演奏した音源を貼っておきます。
1.僕
2.先輩
今回僕が語るのは「Aメロで8小節に1回やってくるこのオープンハイハットの音を入れなければならないと僕が解釈して理由」です。
【理由その1・コード進行の区切れ目】
僕がここでオープンハイハットを入れている理由の1つにコード進行があげられます。
Aメロに入りD♭から始まった進行が一度A♭に落ち着きまたD♭へと進行して行きます。ちょうどここでコードが1周なんですよね。だから次の1周へと繋げるためにオープンハイハットを打つ事で次の1周へと繋いでおります。逆にここを切ってしまうと次の1周へと流れなくなってしまう、と言うのが僕なりの解釈です。
【理由その2・ベースの動き】
イントロが終わりボイスパーカッションが入って以来実はここまでベースはずっと動き続けております。それでもA♭(この曲のキー)に降りて来た瞬間に1小節半のロングトーンになります。
そして8分休符をはさみ経過音を経て再びD♭へと進行していきます。
ここからもここでメロディーが一区切りなのがわかりますよね。だからこそ、僕はここでオープンハイハットを入れてフィルの変わりにしております。
オープンハイハットで無ければならない理由は簡単です。
スネアやタムだと流れを切ってしまうからです。Jazzのソロ等でスネアやリムショットを入れる事で流れを断ち切ったりしますよね、ソロの終わりなどによく見られる技法です。
流れを切らないためにもベースのロングトーンに呼応するように区切り目でオープンハイハットを打ち、流れを出しつつ、節目という注目を集めるようにしております。
【理由その3・コーラスの臨時記号】
さてさて。先述したようにこの曲はA♭の曲です。
それなのに!聴いてみてください!いや自分たちの演奏からではなかなか伝えづらいのですが、実はこの1周の節目のところでトップとセカンドがそれぞれ「ソ♭」と「ファ♭」を歌っているのです。
これはA♭のコードには存在しない音です。
つまりコーラスもここで気をひいているわけです。
そして臨時記号を使ってコードに無い音を歌った後は綺麗に下がってコードトーンを歌います。ここの流れを出すために僕はオープンハイハットを入れております。
更にここに来る直前にトップが独立して動いております。
つまりここはさりげなく動から静へと以降する瞬間でもあるのです。
動いていたトップがまたロングトーンを歌う、だからこそオープンハイハットで少しゆったりとさせる必要があるのです。
【理由その4・コーラスやベースの表現のため】
理由その3で先述したようにコーラスはここでロングトーンを歌いつつ音をさげます。
下げる際に完全に拍に乗って下げるとはかぎりません。寧ろ少ししゃくったり揺らしたりしながらおろす方が自然かと思います。きっちりとカクカクおろして行くのではなく“少し余韻を残しつつ”って感じですかね。
だからボイスパーカッションも一緒に余韻を残すために、また最悪のケース縦が崩れてしまった時に探れるように、僕はオープンハイハットを入れております。
【まとめ】
僕がAメロで8小節に一度だけオープンハイハットを打つ理由。
1.コード進行の節目だから
2.ベースのトニックからの進行に呼応するため
3.コーラスの臨時記号に呼応するため
4.他のメンバーの表現の幅を広げるため
是非voxoneのlovin’ youを歌ったことがある方とは是非一度このオープンハイハットについて議論してみたいです!
最後まで読んでいただきありがとうございます。もしこの記事を気に入って頂けたようであればシェアをお願い致します。非常に励みになります。