僕は本当にこだわって楽譜を作るときは1フレーズ編曲するのに平気で1時間以上かけたりします。
むしろ1時間なんて短い方で、何日も試行錯誤することも稀じゃありません。
ただそれを後輩に伝えた際に「どこにそんなに時間を使うんですか?」と聞かれたので普段僕がどんな場所にこだわって楽譜をつくっているか記事を書いて見たいと思います。
最近、僕が編曲した中だとここのフレーズを作るのに時間がかかりました。
この7小節目のコーラスです。
直近だと、ここを2分音符で言い直すか、全音符でロングトーンにするかで悩みました。
▼2分音符2個
ベースパーカスがいない分、しっかりとリズムを出したいので2分音符が良い。縦がはっきりするし、進行感も出る。
▼全音符
リードを聴かせることができる。リズムが出ないので、思い切り盛り下げることができる。盛り下がるのでリードの優しい声がひときわ引き立つ。
ってな感じで多重録音して聴き比べて見たり、何回もmidiを再生して見たりで悩んでいました。
ちなみにこの「2分音符vs全音符」に加えて、じゃあ「後半の2分音符は4分音符にしたらどうなるか」とか「和音のつみは本当にこれで良いのか」とか色々試すので1時間なんて簡単に経過してしまうのです。
最初に曲全体の表現を考え、それぞれのフレーズで何をやりたいかは決めていますが、表現手段って本当に色々あると思うんです。その数多の表現手段の中から整合性なども意識して最良の音とリズムを決めるのが編曲だと僕は思っています。
曲全体の方向性や作り込み・盛り上がり/盛り下がりの設計が終わってからが本番だと僕は思っています。
自分が出したい色を出すためには、どんな表現を使うのが最良なのか、そこにひたすらこだわるからこそ「編曲って楽しいんだ」と思います。
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