【アカペラ】重厚なハモリを作ってみよう!


ハモりパートを作りたい

皆さんはハモリのパートを作る時に苦労したことは無いですか?ハモリを作ろうとGoogle先生に相談しても、「主旋律の3度上を歌えばハモる」ぐらいの情報しか無く、3人以上でハモろうとして音の置き所に困ったことがある方も多いのではないかと思います。

なので今回は「ハモリパートの作り方」について簡単に紹介できたら良いなと思います。

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2種類のハモリを使い分けよう
まず大前提となるハモリの種類について紹介したいと思います。ハモりには

  1. 主旋律と並行して音が動く並行ハモ
  2. 主旋律と並行して音が動かない直線ハモ

があります。前者は「リードボーカルが表現する感情を2倍にして表現したいとき」、後者は「リードボーカルが表の顔と歌っていて、裏の顔を表現したいとき」等に用いられる表現手法です。

例えば「好き好きダーリン愛してる」と言う歌詞があったときにそれぞれ以下のような表現をすることが出来ます。

  • 並行ハモ・・・僕も大好き愛してる
  • 直線ハモ・・・大好きだけど迷ってる

今回自分たちがどのようなメッセージを届けたいのか考えた上で、この2つのハモリを巧みに使う事でハーモニーを創り上げていくわけです。


並行ハモリの作り方
こっちは凄く簡単です。主旋律に対して3度と5度にあたる音を入れれば9割りの可能性で上手く行きます。ここで少し気をつけたいのがコードトーン(根音)との相関です。例えば主旋律の音が「ドードードー」だったとしましょう。このとき、根音が「ド」ならば「ミーミーミー」と「ソーソーソー」で綺麗なハーモニーになりますが、根音が「ファ」だと「ミ」と「ソ」は3度5度の音に該当しません。なので「ファーファーファー」と「ラーラーラー」でハモってあげると綺麗なハーモニーになるわけです。


直線ハモの作り方
こっちはちょっと難しいです。リードのフレーズに対してコードを振って行ってください。そのコードの構成音でリードにハモるのがこの「直線ハモ」です。例えばゴスペラーズさんの往年の名曲「ひとり」では、こんな感じで直線ハモが使われています。

「たったひとつのこと やくそくしたんだ」の「やくそくしたんだ」の部分です。主旋の音が大きく動くのに対し、コーラス隊の音はコード(F#m7)の構成音でステイしたままです。このようにリードとコーラスの音の距離が開閉するのがホンネとタテマエを行き来する「直線ハモ」の特徴です。


実際の楽曲でのハモリ
勘の鋭い方は既にお気づきかも知れませんが、実際の楽曲では「直線ハモ」と「並行ハモ」は同時に使われる事が多いです。例えばさきほどの「ひとり」を例にすると「たったひとつのこと やくそくしたんだ これからにどと」の「これからにどと」の部分がその良い例です。

一番高い音から一番低い音まで順に、「top」「2nd」「3rd」「4th」「bass」とした時に、topと4thは並行ハモの関係にありますが、topと2ndは直線ハモの関係にあります。またコーラス同士を眺めてみると、2ndと3rdは並行ハモの関係にありますが、2ndと4thは直線ハモの関係にあります。

このように実際の楽曲では直線ハモと並行ハモが同時に使われており、その音と音の相関が複雑に揺れ動く人間の心を美しく描いているのです。


まとめ
このようにハモリパートをカテゴライズして分析していくと、ハモリはかなり奥が深い事がわかるかと思います。自分が描きたい風景はどのような風景なのか?自分が描きたい心情はどのようなものなのか?自分が本当に表現したいのは?そのためにはどのようなハモリを入れれば良いのか?

ハモリを変えるだけで曲の雰囲気はガラッと変わります。是非、ハモリパートを作る際には色んなハモリを試してみてはいかがでしょうか?


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