日本の人事ってマジで遅れているの?
これはあくまで僕の個人的な意見ですが「遅れているか否かで言ったら遅れてはいない」と思います。
だって人事制度の大半は国の法律によって導かれるものじゃないですか。本当に遅れていたら法律への対応が追いついていないはずですし(実はまさに働き方改革の部分がそうなりつつあるのですが…)、どこの企業も法律に反して検挙されまくっているはずです。
「それじゃmokabuuさん、遅れていないのはわかったけどアメリカと比べて日本の人事はどうなの?」
と問われると「日本は少し人任せすぎるかもね!」と答えます。
人任せってどういうこと?
ここで言う人任せは「他人に答えを求めすぎ」ってことです。
僕が甚だ疑問なのは「なぜ常に欧米の人事をお手本にしているのか」っていうところです。
法律も国民性も違う。文化も違う。それなのになぜ法律も国民性も文化も異なるアメリカの制度だけを真似ようとするのか理解不能なのです。
例えば良くTwitterで見かける「アメリカの企業みたいにサービス残業はなくそうよ!」と言うこけかけ。これ凄くポジティブな面しか書かれていないことに違和感を感じます。
確かにアメリカの企業は17時に帰っても誰一人文句を言わないですし、むしろ「仕事ができるやつ」と一目置かれます。
でも17時に帰るまでにその日の仕事が終わっていないとどうなると思います?
答えはいたってシンプル。
「こいつはこの組織で与えられた仕事を遂行するだけの能力がない!」と判断されます。
つまりは「即・クビ」が待っているのです。職務等級制度が敷かれているアメリカでは「職務に対して人員の枠」で採用をしているため、枠を満たせなかったら「クビ」以外の選択肢はないんですよ。
こんな制度、日本で真似したらどうなります?
企業からたちまち人が居なくなるのではないでしょうか?
だからこそ、自分の頭で考えて、日本の現状・国民性・文化などを加味して、法律・人事制度を作っていくべきだと思うんですよね。
100歩ゆずってアメリカと比べるとする
とはいえ、外を見るなと言っているわけではありません。
国際的に人材獲得において強い競争力を持つ国でなければ、今後はどんどん人が採用できなくなるでしょう。なので、全く真似をするなと言っているわけではないです。世界的に見たときに優秀な人材にとって魅力的な国/企業である必要があります。
その中で、アメリカが比較対象に上がることには、僕もアグリーです。
ただし、ここでも1つ違和感があります。
SNSを見ているとas of todayのSnapshot(≒本日時点の点の情報)でアメリカと日本を比べている人が多いのです。この分析、全くとまでは言いませんが、あまり意味が無いです。
アメリカだって今の制度が完璧なわけでは無いです。だから今後5年10年で変わっていこうとしているのです。変わっていこうとしているからこそ、人事のトレンドを発表し合うカンファレンスが毎年開かれているんですよ。
変わっていこうとしているアメリカに対して、本日時点の情報を比較してもあまり意味って無いですよね。
どちらかと言うと
- アメリカは10年後にAを目標としている。
- アメリカの現時点はBなので、10年後の目標までxxぐらい乖離がある。
- 日本は10年後にAを目標としたときに、日本の現時点はCなので10年後の目標までyyぐらい乖離がある。
- アメリカのxxと日本のyyを比べたときに、日本は遅れている/進んでいる。
とか、こう言った分析をすべきじゃ無いかと思うんですよ。
周回遅れと言う可能性
2017年に世界のAccenture様がこんな記事出しているの知ってましたか?
https://www.accenture.com/us-en/blogs/blogs-designing-implementing-job-rotation-program
一概に日本のJob Ratationが遅れているとも言い難いんですよ。あくまで一例ですけどね。もしかすると日本が周回遅れて世界とトレンドのトップに立つ可能性だってあるのです。点ではなく、せめて線で見て、先のトレンドに対してどれだけ遅れをとっているか判断したいものです。
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