【アカペラ】魅力一項目のみでの審査について思ったこと


審査項目は魅力1項目のみ

以前、2019年に審査をご依頼いただいた際に審査要望が「魅力一項目での審査」でした。

当時は自分にそんな審査技術はなかったので、自分にとっての魅力を要素ごとに分解して、配点を決めて審査をしておりました。

しかし、あれから3年、人事評価も実は「魅力一項目審査」と同じような審査がトレンドになりつつあるのです。

ジョブ型へと日本の人事が変わりつつある中で「ノーレーティング(評点をつけない)」で個人の目標達成度を評価する仕組みがトレンドになりつつあり、ボーナスや昇格有無などの処遇を評価から切り離すことで「チャレンジングな目標設定」と「従業員の成長を促すためのフィードバック」を実現する考え方です。

なので、従来型の「この素養がこれぐらいあったら何点」「目標達成度に対して5段階で評価」という類の評価ではないのです。

これって「ハーモニー/リズム/表現力」とか細かに要素を分けて点数づけしていた評価から「魅力一本で良し悪し決めてください!どーん!」への変化にちょっと似てないですか?

今だからこそ2019年に「魅力1項目での審査」って考えたプロデューサーさん達は天才だなと思いました。確か当時は大学1年生だったはずです。年齢と個人の能力は無関係であることはわかりつつも、大学1年生ながらにして社会人(それもこの手の話の専門家)よりも進んだ発想ができるって凄すぎるなと今になって鳥肌です。


今だからこそ言える後出しフィードバック

今、ノーレーティングの評価が出てきたからこそ言えることがあります。

当時は確か「魅力1項目を30点満点で評価」だったと記憶しており、1項目に対して点数が大きかったことが難しさを助長しておりました。

そして1項目あたりの点数が大きかったので、僕のように要素を分解できてしまい、おそらくはプロデューサーの意思から逸れた審査が出来てしまいました。

ノーレーティングの評価には実は続きがあり、どうしても評点をつけたい場合には3段階がお勧めされております。

  • 1点:明確な理由を持って明らかにダメだと言える
  • 2点:ほとんどの人はここ
  • 3点:明確な特筆すべき理由をもって良いと言える

こうすることで、ほとんどの人が2点しかつかないため、納得感が出る(というよりは不満を言える余白が限りなく少なくなる)のです。

なので、同様に「魅力1項目3点満点」であれば、

  • 1点:絶対にライブに出しちゃダメ
  • 2点:ほとんどのバンドはここ
  • 3点:絶対にライブに出すべき

と審査せざるを得ない状況を作り出せたでしょう。


最終選別

3点満点で魅力を審査した後は、3点がついた数で上位から順にフィルタリングしちゃうのが良いのだと思っております。

これも最近の考え方ですが「マイナスの側面に目を向けるのではなくプラスの側面をとことん伸ばそう!」という考えに基づいております。

誰かが3点をつけて高く評価したのであれば、お客さんという大母体の中で一定数の人が高く評価してくれる可能性があるため、全員が2点をつけたバンドよりも、たとえ1点をつけた人がいたとしても価値があると考えられます。

まあ俗にいう「好き嫌いが分かれるバンド」ってやつと解釈できるわけです。でもサークルライブなんていろんなバンドが出るのだから、そのなかでお気に入りを1個見つけれもらえればそれでも良いんじゃないでしょうか?それとも是も非もつかない無難なバンドを並べますか?

そのためにそれぞれ背景の異なる審査員を複数人設定する審査が多いのだろうなとも思っております。


天晴れ当時の大学生

で、僕は2022年になってようやくこの考え方が出来るようになりました。

数字を並べられないので審査員にとっては、フィードバックやバンドへの合否の説明が大変になることは間違い無いですが、仮にサークルライブの審査だとしたら審査やイベントを通じたサークル員の成長も目的の1つのはずです。

なので「魅力3点満点」という枠組みの中で審査し、バンドに納得性のあるフィードバックができるか否かは、まさに審査員の腕の見せ所になるのだと思います。

いずれにせよ、今から3年前、しかも大学1年生の段階でここまで進んだ発案ができたことに僕は今更ながらお大きな賛辞を送りたいです。


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