アメリカのマーケティング学者であるセオドア・レビットの著書にて
紹介されている有名な一文です。
確か正確には
「4分の1インチのドリルが100万個売れたが
これは100万人の人が4分の1インチのドリルを欲したからではなく
100万人の人が4分の1インチの穴を欲したからである。」
ってな感じの文章だったと思います。
僕はこれは凄く大切なマーケティングの感覚だと思っております。
ユーザーが何を求めているのかその本質に迫る部分までしっかりと意識することで
ユーザーが本当に必要な”よいもの”を提供できるようになるからです。
拘る事は大切ですが、
拘る場所を間違えない事はもっと大切です。
「うちのドリルはこんな良いドリルなんです!」
と言われてもお客さんが欲しいのはドリルではなくて
「穴」であってドリルはあくまでもそのための手段なのです。
そう考えるとドリルを売る際にドリルマニアの視点で考えてしまうと
ユーザーの求めているものとギャップが生まれてしまい
せっかく拘り抜いて作ったドリルが1個も売れないなんて事態に
陥ってしまうわけであります。
これはアカペラアレンジでも同じことが言えると思います。
例えばオシャレ和音やリタルダンド。
いくらそれが自分が拘り抜いて作った良いものでも
リタルダンドの掛け方を間違えると”乗れない曲”になってしまいます。
オシャレ和音もよかれと思って作り込んでいても
それが曲やバンドそして演奏にマッチしていなかったら
聴いていて疲れてしまいます。
自分たちの演奏を聴くお客さんが何を求めているのか
それを察することでアレンジって一気に良くなるのかなと思います。
例えばアカペラーがお客さんのライブで歌うならば
「そこはそうだよね!」と共感を抱いて貰えるような
流行のアレンジの手法をどんどん採用してみるとか、ね!
アカペラサークルに所属していると
たまーにハモネプのアレンジを小馬鹿にしている人が居たりします。
しかし僕はハモネプのアレンジはあれが正解だと思っています。
現にアカペラに全く興味がなかった多くの学生をアカペラに引き込み
アカペラの魅力を伝えた番組は他ならぬハモネプです。
そしてアカペラを全く知らなかった学生は
ハモネプでの同じ学生の演奏を聴いて「良い」と思ったから
アカペラに魅せられたわけでハモネプのアレンジも
1つの模範解答なのだと思います。
結局はどこまで自分たちのお客さんが見えているかなのだと思います。
ドリル会社であれば
「ドリルを使う事で空けられる穴」を売る事が
大切なわけで
アカペラバンドであれば
「アカペラで演奏することで与えられる何か」が
大切なわけです。
ここの「何か」はドリルやアカペラアレンジだけにとどまらず
何事においてもこの「何か」が見えている人は強いなと言う印象を受けます。
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