人事のプロ?誰?
私です。
つい数ヶ月前まで人事向けのソフトウェアを作っていました。その中でも私が一番長く触っていたのが社員の評価をするために使われる機能でした。
今日はそんな知見から、アカペラの評価が死ぬほど難しい理由について書きたいと思います。
企業では上司からの評価が不平等なものにならないように、部下を評価する管理職の社員向けに「考課者訓練(評価者訓練)」なるものを実施している企業が多いです。
一般的には人を評価するためには以下が必要だと言われています。
- 制度の目的の理解
- ルールの理解
- 判断基準の理解
- エラーとその防止策の理解
- 育成技術
- フィードバック技術
この記事は人事業務の記事では無いのでそれぞれの細かい説明は割愛しますが、今日はこの中でも
「3.判断基準の理解」
にフォーカスします。
例えばあなたがバイトリーダーだったとしましょう。
バイトを始めてから半年が経過したエリザベスちゃんの時給を50円あげるか否かの判断をすることになりました。
エリア長から渡された資料を見ると50円の昇給の基準は以下のようになっています。
「評価C – 普通 – 50円の昇級」
これじゃ何にもわかりませんよね!
個々人によって「普通」の基準は異なるのでフェアな昇給ができません。
これはアウトです。
では例えば以下のように書き換えたらどうでしょう?
「評価C – ホールスタッフとして期待し要求される業務を自力で達成できる」
これならばさっきの「普通」に比べてフェアな評価ができそうですよね!
これならば多少はイケています。
ではこれがアカペラだとどうなるのか?
「評価C – 演奏の中の和音の7割が音楽的な和音進行でハモっていた」
一見するとこれはかなり具体的で「判断基準」として適切に見えます。
しかしひとえに「7割の和音」と言っても
- ずっと「C-F-G」の進行の簡単な楽譜
- TRY-TONEのカバー
- Vox Oneのカバー
- 1個もテンションが置かれていないスウィングジャズ(?)の楽譜
では「7割」のハーモニーがどれだけ優れているのか判断できませんよね!
つまり単純に和音だけで判断することはできないのです。
とてつもなく見にくい図になってしまって恐縮なのですが(作図が下手ですみません…)、実際にはこんな風にマトリックスで考える必要があるのではないかと思います。
今回は和音を例示したので「和音と表現」のマトリックスになっていますが、実際には「リズムと表現」のマトリックスもあると思っています。
どんなに難しい和音も難しいリズムも何か表現したい音楽があるからそこに存在しているわけです。
なので、和音やリズム単体ではなく、そこに表現がくっついて回るわけです。
※図はサンプルで作ったものなので内容に関するツッコミは一切お答えしかねます。私がそれっぽい内容を適当に書いただけです。
アカペラは人事の評価などと違い、なかなか数字で表すことが出来ない要素が多いです。
しかも音楽なんて個人の主観に依存するところが多いため、相当しっかりと仕組みづくりをしない限り「正当風」な評価にしかなりません。
そんな意味では今年のJAMの音源審査の仕組みなんかはとても良い試みだったのではないかと思っています!個人的には審査基準となった評価軸まで透明化されるともっとイベントとしては面白くなるんじゃ無いかなと思っています(評価軸が公開されればそれに対しての議論も活発化されるはずなので!)。
次回は「フィードバックの技術」と「育成技術」の部分についてかけたら良いなと思います。
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