和音。アカペラをやっていると当然楽譜を自分で作る機会が増えるので和声学等の規則を目にする機会も増える。
そんな和声学のルールを全く知らなかった僕だが、友人からアドバイスを受ける等し少しずつ覚えて来た始末である。
そんな和声学のルールの中で僕を悩ませているものがあった。「平行5度の禁則」である。要するに簡単に行ってしまうと5度が連続して続いてはいけないと言うもの。
この「平行5度の禁則」に関しては結構悩んでいる。と、いうのも基本的にクラシックで適応されるルールらしくロックにはパワーコードと呼ばれるルートと5度だけの和音が存在するし、ポップスにも結構平行5度があったりするからだ。
結論からいってしまうと数ヶ月に渡り長考してきたが僕は和声の理論をあまり気にしすぎないことにした。理由は色々があるが僕が読みあさった中で面白かった記事を何個か紹介したい。
「平行5度が禁止されたのはエロいからである」
http://ooipiano.exblog.jp/12172758/
僕には何がエロいのかちょっとよくわからない。意味がわからなさすぎるので一度エッセイを読んでみたいと思う。
「ビートルズ」
http://siritai.jp/lecture/music/res_rock.html
これなんか僕が上記したロックでは使われている、っていうのを示したものだと思う。
でもおまけでもっと色んなロックの知識を養えるから面白い!アカペラって演奏の手法であってジャンルではないので、ロックの曲をアレンジするときに気をつけたいと思える知識が得られた。が、実際に自分の耳で確認するまで本の内容等は鵜呑みにしないことにしているのでちゃんと検証までしたら別途記事を書きたいと思う。
「響きの問題」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q108521570
これなんか典型的な回答例ですよね。
ネットサーフィンしてるとようするに「和音の響き」を理由にダメって言っているサイトが多いです。
他にもあったのですが、とりあえず参考文献3つだけ紹介してみました!
僕が和声のルールをあまり気にしすぎないよう決めた理由を最後に1個だけ抜粋して紹介したいと思います。
アカペラを音楽として捉えるのを辞めたからです。
昨年同大学でミュージカルサークルの演出・脚本家をつとめている先輩と話した時から何の為に歌っているのかずっと考えていました。その結果、アカペラは表現の手段だと思って書いた楽譜は「楽譜」というよりも「脚本」に近いのかなと思ったからです。音や歌詞は台詞なんです。
ドラマや映画の挿入歌だとその作品のために書かれたものも多くあります。そういった曲ってどの作品の中だからこそ最高に輝くものだと思っています。
でもそういった曲をいきなり演奏してもその前後の流れってオーディエンスには伝わらないからその曲を殺すことになってしまいます。ここでアカペラを音楽として捉えずに表現・舞台と捉えた時にもちろん節度はありますが、表現することが大切なのかなとおもいました。
(これに関しては異論・反論沢山あると思うし、個人の考えがかなり強くでるところだと思うのであまり深く言及しませんが…。)
例えば暗い雰囲気、不安な雰囲気、どことなくそわそわして落ち着かない雰囲気、を作りたい時に敢えてルールから外れるのもありなんじゃないかな?と僕は思いました。
例えばそれがメロだとして、サビが一番表現したいところだったら、サビの表現を100%伝える為ならばメロの犠牲をいとわない演出も一個の手なのではないかなと。
特に僕のサークルのライブで与えられる演奏時間はせいぜい5分、本番は前後にMCを挟むことも出来ません。っていうか挿入歌や主題歌が歌われるような環境下でその曲を歌える機会ってぶっちゃけ無いと思います。
そんな中で曲の魅力を最大限に伝える為にはある程度禁忌をおかしてでも「伝えたいメッセージ」のための「空気づくり」も大切なのではないかな?と。
でもやっぱり悩んでいるところもあって。
先日ほめちぎったvoiceplayもアメリカのアカペラ大会sing-offにおいて「アレンジのやりすぎ」を理由に落選しているからである。
やはり楽譜を自身の表現の脚本にしてしまうことで、時に「改悪」になったり、やり過ぎたことによる「不快感」を生んだりしてしまう。特に僕のようにコード進行までいじると原曲を知っている人からすれば「やりすぎ」と感じることもあるかもしれない。
結果賛否両論をうむ楽譜を何個か世に出してしまったことがちょっと最近の楽譜を作る際の悩みの種である。誉めてくれる人はめちゃくちゃ誉めてくれるが、叩かれるときはめちゃくちゃに叩かれる。素人ですら賛否両論に葛藤するのだからプロって本当に凄いんだな、ってところで今日はしめたいと思う。
※誤解を招かない為に。禁忌をおかすのは誉められたことではない。考え抜いた上で本当に最小限で抑えた方が良いと僕は思う。なんならおかす必要のない禁忌はおかすべきではない。ただの不快感の原因にしかならない。
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