「リズムが安定しません。」
「思うように曲の盛り上がりが出ません。」
「曲にのることができません。」
バンドクリニックの時や、個別に相談を受けている時に、こんな声を耳にすることが多いです。
こんな質問を受けた時には、僕は真っ先に「楽譜を見せて!」と言うようにしています。なぜならば、実はこれらの問題って楽譜から読み取れてしまうことがほとんどだからです。
今日は楽譜と演奏について書きたいと思います。
これは記譜が正しくできていないバンドさんに多く見られる課題です。
例えば良くある例がこちら。
4/4拍子で楽譜を書いているにも関わらず、平気で拍の頭を跨いで音符を置いてしまっています。拍頭に対して、相対的にどれぐらい拍が食い込むのか、遅れるのか、明示できていないので当然リズムは安定するはずないですよね!
拍の頭に対して、自分がどこで音を出すべきなのか、これではわかりません。
同様にこれも同じです。
必ず拍頭に対して音がどこで鳴るのかわかるようにしてあげましょう!
また、拍頭と音の意識がもてると応用がきくようになります。
例えば「3,3,2」のようにおしゃれなリズムを刻む際には、次の2通りの楽譜からよりバンドに合った方を選ぶことだって可能になります。
ちなみに僕は前者派です。
前者の方がポリリズムがわかりやすいからです。ただ、単純に感じるメインのリズムは後者の方がわかりやすいので、ここはアレンジャーのこだわりポイントだと思います!
参考:【2声部間の進行】アカペラアレンジのコーラスの作り方。
簡単に復讐すると
- 反進行
2声部間で真逆の動きをする進行を指します。 - 斜進行
片方がステイ、片方が動く進行を指します。 - 並進行
全員が同じ方向に動く進行を指します。
「盛り上がりが出ない!」と言うバンドさんの楽譜を見せてもらうと、全体のうち「並進行」が占める割合が非常に高いことが多いです。
並進行は「タブー」ではありませんが、音の広がりが出ないため「好まれない進行」です。
あまり盛り上げたくない時や、サビの最後で一瞬字ハモを抜いてリードにスポットを当てたい時などには有効です。
ただし、特に理由がない限り、「少し盛り上げたり盛り下げたりしたい時」は「斜め進行」、「一気に盛り上げたり盛り下げたりしたい時」は「反進行」を使うのが良いでしょう。
「4小節の塊、8小節の塊、メロの塊、1番と言う塊、曲という塊」それぞれの中で、どのような起承転結が描かれているか考え、進行を使いこなせるようになると曲に「盛り上がり」が生まれます。
「1.リズムと曲のノリ」は採譜にも編曲にも言えるのではないかと思います。
「2.並進行と反進行と斜進行」は、オリジナルアレンジであればアレンジの見直しや、アレンジャーの意図をみんなに説明する楽譜説明会をしてみると良いと思います。採譜の場合は、なぜその楽譜の進行がそうなっているのか、なぜなぜを実践してみると良いでしょう。
演奏の悩みの原因って、どうしても演奏の中に探しがちですが、意外と演奏にたどり着く前の「楽譜」のところに眠っていたりします。
ぜひ、この機会に楽譜解釈を実践してみてください!
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