メンバーを生かすアレンジ。


たまに夢で昔のことを思い出すことってないだろうか?

僕は1ヶ月に1回あるかないかであるが、たまに夢で昔のことを思い出したりする。

今日?昨日?は昨年の夏にストリートライブを行った際に見に来てくださっていた2007年度入学のOBの先輩からいただいた言葉を思い出した。


そのときはpaprikaと言うバンドでhigh school musicalという曲を歌っていた。

その時先輩からフィードバックを貰う機会があり、編曲についてのフィードバックを求めたら以下のように言われた。


先輩「あ!これお前譜なんだ!お前アレンジするんだね!」

僕「はい!どうでしたか…?」

先輩「うーん。お前が曲を殺してる。」

僕「…。」

先輩「この曲のパーカスは違う気がするな。」

先輩「Berkanoではボブさん(先輩の俗称)がお前のパーカスを生かすためにお前を生かす楽譜を作ってくれていたけれども、お前の楽譜はそうじゃない。お前の編曲の技量が足りないのか、やろうとしていることにパーカスの技術が追いついていないのかわからないが、アレンジにパーカスがハマっていない。」

そう言われてしまった。
その時はじめて先輩達の凄さを目の当たりにした。僕は馬鹿である。言われるまで自分のパーカスに合わせて先輩が楽譜を作ってくれていたこと等気がつかなかったのだから。言われた瞬間に頭のなかで何かが弾けるように一瞬で腑に落ちてしまったが。笑

セカンドコーラスがhiAを実勢で張って、その上にトップがhiCで居て、サードがmidEで支えていて…。という和音の設計だけでなく僕を生かすリズムを与えてくれていた。いや、思い返せば確かにそうなのだ。


この曲なんかまさにである。
1年生の時に一番最初に取り組んだ曲なのだが、正拍しかとれない駆け出しの有声パーカショニストでも打てるような設計になっているのが凄い。

メンバー全員を生かす楽譜ってすげー難しい。6人全員の都合を頭の中に常においておかなければいけないから。それでいてかつ編曲をやすっぽくしないようにもしなければいけない。

そんなこんなで3年生の夏にBerkanoの楽譜を全て洗いざらい解析していって感動したのを思い出した。


でも絶対に誰かにしわ寄せは少なからず来るものである。

僕は同Berkanoのベースの先輩を尊敬している。先輩は現役時代はTry-Tone等を主に歌っていた。結成当初に先輩も言っていたが”あまりパーカスと歌ったことはないらしい”。

上から目線になってしまっているように聴こえてしまうが、誤解を恐れずに言うと、先輩のベースは先輩が引退されてからの2年でめちゃくちゃ上達している。


最近は僕もアカペラ4年目に突入したわけで音楽的に生意気になって来た。
曲中で激しい自己主張をして「こっちがいい!」とメンバーにだだをこねるようなフィルも打ったりするようになって来た。そんな中で先輩のベースの刻みの変化に気がついた。

パーカスと合わせて行く中で必要な時に「粒建ちを良くし」、必要な時に「5thコーラス的なベース」に徹してくれている。パーカスとしてはこの上なく歌い易い。そして粒を出してくれるのでベースパーカスで縦が合わない時に早期修正が効く。


もともと先輩はTry-Toneのベースが馬鹿上手かった。
しかしTry-Toneとは真逆のパーカスと共存するベース。本当に凄いと思う。

先ほど載せた動画のベースもとてもTry-Toneとは言えない。僕の力量不足によるしわ寄せが一番きていたのはベースなのでは無いかと思う。絶対先輩は見ていないが敢えてこの場で「ありがとうございます」って感謝を伝えたい気持ちだ。


アカペラのアレンジ。
思えばめちゃくちゃ奥が深いものである。考えれば考える程アレンジを行う際にやるべきことは出てくる。

サークル生活最後の1年、僕は後輩に何か残す年にしたいと思っている。是非ともボブさんが作ってくださっていた楽譜のような楽譜を作りたい。

【 後輩の実力 × 120% 】の楽譜を、後輩を少しずつ成長させてあげられる後輩を生かす楽譜を作れるようになりたい。


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