【アカペラ】アレンジをするときに意識したい”ユーザー”は2人いる!


ビジネスの話をしよう!
今世間一般では「ITが来ている!」なんて言われていますが
本質は今までのビジネスとなんら変わりはないのかななんて思っております。

そこには必ず「売り手」「買い手」が居て
「買い手」が欲している価値を産み出せた「売り手」が強いのがビジネスであります。

ここを勘違いしてしまうとビジネスは失敗します。
例えば私が使っているこのブログ作成サービス。

「複数人で記事をリアルタイムで共同編集できる機能」を実装したとします。
これってユーザーを記事を書く人に設定し「皆で共同で記事を編集していきたいメディアクリエイター」に向けて売り出した場合には凄く良い機能ですが、記事を読む人や個人メディアの経営者にしてみれば至極どうでも良い機能です。寧ろそれでシステムのスピードが落ちたりしたら邪魔な機能になってしまうわけであってプラスどころかマイナスです。

と、言うようにものをつくるときは「誰のために」つくった「どんなもの」
「それがどういう風に役に立つのか」または「どこにニーズがあるのか」まで考えないと
結局はユーザーには伝わらず全く意味の無いものになってしまうのが現実です。

これはビジネス本やセミナーで学んだ考え方なのですが
これって僕が大好きなアカペラアレンジでも同じ事が言えるのではないかなと思いました。



まずはユーザーを定める
先述した通りアカペラアレンジをする時には2人のユーザーを意識しなければいけません。

1人は歌ってくれるバンドのメンバー。
そしてもう1人はそれを聴いてくれるお客さんです。

面白い事がありました。
僕がサークルライブのプロデューサーを務めた時です。
集客を「日頃お世話になっている両親・友達・地域の方」に絞ってタイトルを「紅白歌合戦」と定めてアカペラサークルのサークルライブを企画しました。

その時の審査ではターゲットが「両親・友達・地域の方々」だったので
敢えてアカペラーではなくアカペラに精通していない一般の方を特別審査員として招き
彼・彼女等に審査を託した
のです。

審査方法は以下の通りです。
①サークル員にオーディションを聴いて是非コンサートに出演して欲しいと思ったバンドに12個丸をつけてもらって得票率を割り出す
②特別審査員が全バンド「表現力・和音の精度・リズム」の3つをそれぞれ100点満点で審査した点数を集計して偏差値換算する
③上記①と②の平均をとって上から12バンドでくっきり足切りをして出演バンドを決定する

と言う極めて異例の審査方法で審査を行いました。

このとき特別審査員は演劇芸術を行っている団体から1人、ダンスサークルから1人、他大学アカペラサークルから1人招いて行ったのですが面白いぐらい上位4グループの演奏に対する意見はアカペラーとアカペラに馴染みの無い方々で意見が一致していました。

逆に5位以下のバンドに関しては一般の方とアカペラーで全く視点が違っていたのです。


ターゲットによって手法が変わる
アカペラアレンジをしたことがある方にはわかっていただけると思うのですが
例えば予め聴衆が「小学校の全校生徒600人」とわかっていたら
アレンジや選曲が普段と変わるのではないでしょうか?

逆に老人ホームに歌いに行くのに
ゴリゴリでガツガツな洋楽を歌うグループって
あまりいないのではないかと思います。

つまり誰に聴かせたいかによってアレンジや
時には選曲そのものが大きく変わってくる
ものなのです。
まずは誰に歌を届けたいのかここの部分がブレてしまうと
せっかくの素敵な演奏でも届かなくなってしまいます。

ある程度の知名度があれば
ネームブランドで押し通せないことも無いでしょうが
無名のバンドなら尚更です。

以前「JAMはアップテンポな洋楽を歌っていて
声量がバカみたいにあれば絶対に良いところまで行けるから嫌だ」

なんて批判をネットの掲示板で見かけましたが僕は別にそれでも良いのではと思います。
寧ろJAMが求めているであろう演奏がそれってわかっているのならば
なんで相手が求めているアップテンポな声量押しの洋楽を歌わないのか不思議です。

無論“JAMはそれだけででれる程あまいもんじゃないでしょ!”って言うのがJAMに落ち続けている僕の主張ですが。笑


ユーザーは聴衆だけでない
しかしここで注意したいのがユーザーは聴衆だけではないと言う事です。
隣で歌っているバンドメンバーもアレンジのユーザーの1人です。
メンバーのニーズを満たせないアレンジをしてしまったら
どれだけ楽譜が聴衆に向けて作られていてもその楽譜がお客さんに届く事はありません。

これがアカペラ編曲の難しい所です。
お客さんの聴きたいであろう良い音楽をしっかりと分析して
お客さんに届くような楽譜をつくることがまず第一にあります。

そして次にその楽譜を作るにあたって
メンバーが喜んで歌ってくれるような楽譜にするための術を
研究して実際にアウトプットしなければダメ
なのです。

それにお客さんといっても色んな人が居ます。
アカペラを知らないゼミや他団体の友達。
他サークルのアカペラで繋がっている友達。
音楽が好きな地域のご老人。
若い者が頑張っている姿を見たいだけの親族。

この中の誰にどんな音楽を届けたいのかによって当然歌うべき曲や
その曲をどういうアレンジにするのかが180度変わってきます。

これら全員を網羅したいのならば
一定の批判は覚悟で大衆ウケする音楽をしなければ行けない時もあるかも知れません。


まとめ
最近ひしひしと感じているのは音楽はビジネスだと言う事です。

参考:色んな意味でヤバイと噂のGLAY新曲 百花繚乱を紹介

こちらの記事を読んではじめて知ったのですが
かの有名なGLAYは自分たちがやりたいおふざけはアルバムやカップリングでやり
大衆向けののシングルでは万人受けする王道をやっているそうです。

がっつりアカペラに取り憑かれてしまった僕は
今更どうやったらアカペラを全く知らない人に伝わるアレンジが出来るのか
着眼点が現状まったく見えていませんが、これからは空いた時間でちょくちょく考えて
アレンジにどんどんアカペラを知らない大衆向けの視点も取り入れて行けたらなと思いました。

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