【アカペラ】これから大好きな曲を編曲する人へ -これだけは気をつけて欲しい3つのこと-


失敗から学ぶ編曲シリーズ
失敗から学ぶ編曲シリーズ記念すべき第一弾です!
第何弾まで続くのか分かりませんし、そもそも第一弾とか言いつつ過去にもこんな感じの記事を書いた覚えが無きにしも非ずです。笑

まあいいや!
どうも!こんにちは!

今日は僕の失敗談をしたいと思います。
サークルライブのオーディション等にオリジナルアレンジで挑んでアレンジが原因で落ちてしまう事ってよくあるんじゃないかなと思います。少なくとも僕の出身サークルではもう毎回のようにありました。

今日はその中でも僕が「やっちまった!」と思う失敗TOP3に入るであろう3つを紹介したいと思います。



1.その曲の良さを知っているのは自分だけだと思え!
昨年サークルライブに“High School Musical3”より“We’re All in This Together”と言う曲をエントリーしました。その際にとある後輩からこんなフィードバックを頂いたのです。

「なんかしんみりしてません?この曲こんな曲でしたっけ?」

この瞬間僕は

「やっちまった!」

と思いました。
実はこれ。
“High School Musical3″と言うところが落とし穴なのです。

皆さんHigh School Musicalをご存知の方は”We’re All in This Together”と言うとこちらのアレンジを想像するかと思います。

でも実は違うんです!
僕たちがやりたかったのはこっちの“元気はつらつVer”ではなく、シリーズ最終作で歌われたこっちだったのです。

このバラードバージョンの2:40からの盛り上がりのエッセンスを取り込みそこからのラスサビを魅せ場とした楽譜になっていたのです。

これ!
今思えば伝わるわけがないですよね。笑

有名なのは元気なバージョンです。
僕等がどんだけバラードバージョンの魅力を知っていてそれを表現しようが、余程のHigh School Musicalマニアで無い限り“しっとりVer”知らないのでアレンジは改悪にしか聴こえないわけです。

直前のMCでしっかりとその旨を話すなり何かしらの魅せ方の工夫が必要でした。
これは他のアレンジにも共通して言える事です。曲が良いとアレンジも良く聴こえがちですが、アレンジするときはどんなに原曲が有名でも聴き手はその曲の良さを何も知らないと思って楽譜を作り込んだ方が良いかと思います。

その曲の良さを自分なりに落としこみましょう。
そしてしっかりとその良さが伝わる楽譜か今一度見直してみると僕のような後悔をせずとも済むかもしれません!


2.少しばかりの嘘をつこう!
ヨハネス・フェルメールと言う画家の描いた「牛乳を注ぐ女」と言う絵をご存知でしょうか?

僕は絵はど素人なのですが、素人なりにフェルメールと言う画家が大好きです。
それは彼がとんでもない嘘つきだからです。

気になった方はGoogleで「牛乳を注ぐ女」と調べていただければ分かるかと思うのですが、フェルメールは絵の中に沢山の嘘を盛り込んでいるのです。見えるはずの無い床が描かれていたり、逆に見えるはずのポットの中の牛乳が描かれていたり…。

音楽にも同じ事が言えます。
美しく見せるためには時として効果的な嘘をつく必要があります。

原曲の楽器が奏でるコードやリズムのラインをそのまま声で演奏しても、声ならではの美しさを最大限に引き出す事は困難です。それどころか時として声だからこそリードの音とぶつかりハーモニーを崩してしまう事もあるかと思います。

そう言う時に原曲に捕らわれすぎずに「美しく見せるための嘘」をつけるとアレンジはより良くなるのではないかなと思います。原曲の美しいピアノのコードを表現したいのならば、それは声ではなくピアノで演奏するべきです。コーラスをギターのように細かく刻んでしまっては本来和声がもつ美しさを破壊してしまうことに繋がりかねません。

わざわざ声だけで演奏するからにはそこに何かしらの必然性が欲しいものです。


3.魅せどころから逆算しよう!
皆さんスタジオジブリ好きですか?

僕はもう大好きです!
僕の一番のお気に入りは「千と千尋の神隠し」なのですがそれはさておき。

皆さんは「ハウルの動く城」ってご存知ですか?
「それとアカペラアレンジなんの関係があるんだよ!」って思った方はお察しが良いです。ここで言う「ハウルの動く城」とは後先考えずにイントロからラスサビまでの良い子に順番に作ってしまった楽譜のことを指します。

もっと砕いて言うならば、

  1. 一貫性が無く
  2. 行き当たりばったりで
  3. あれもこれも加えられていて雑多とした
  4. 冗長な楽譜

の事を指しています。

そうならないためにも、楽譜を作るときはしっかりと「一番の魅せどころ」を決めた上でそこから逆算するように作り込んで行ってください!

そして3回サビが来る曲で2サビを「一番の魅せどころ」にするのは避けた方が良いかと思います。残りのラスサビが消化試合になってしまうからです。しっかりと全体のバランスをみて、どこで「一番の魅せどころ」が来たらお客さんの心を掴めるか考え、そこが決まったらあとは伏線を張り巡らせるように楽譜を作り込んで行きましょう!


まとめ
とりあえずノリとその場の勢いで「失敗から学ぶ編曲シリーズ記念すべき第一弾」と称して僕が今までにやらかしてきた失敗を3つ紹介してみました!

需要がありそうだったらこのシリーズ続けてみようかなと思います。

もうすぐ6月。
来る夏休みに向けて新譜を考えているバンドさんも多いかと思います。

是非楽譜を作る際には上記3つの点に注意してみてください!

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