僕はオーケストラの楽譜は絵画に似た一種の芸術だと思っております。
長年の月日をかけて何重にも音を塗り重ねて最高に美しい色を組み合わせて行き1枚の大きな絵を作り上げるその作業とこのオケの楽譜をつくる作業には似たようなものを感じます。
音で描く1枚の風景画がオケの楽譜とでも言うのでしょうか。
そしてそれを人間が体現できる音を言う形で再現するのがオケの演奏だと僕は感じています。
今日はそんなオケの演奏を聴いて思ったことをずらーっと記事にしたいなと思います。
ご存知オケのパートって物凄く多いです。
なので曲の全体が書かれたもの(フルスコア)の他に全体が数段に別れて書かれたコンデンススコアなるものが存在したりします。そうしないと量が膨大すぎてちょっと不便なのです…。
さて!
そんなにパート数が多いオケですが有名な楽譜での演奏を聴くと1パートも無駄なパートがありません。
それどころかどのパートも演奏において必要不可欠なパートになります。
僕が今回たまたまはち会わせたのはこの演奏。ラストの3連での畳み掛けの盛り上がり感すごいですよね!
それぞれの楽器がそれぞれの特性に合わせて適材適所で自分と言う楽器に最適な音で曲を支えていてそれが揃ってこそ奏でられる芸術性は凄いと思います。
それに対してアカペラは往々にして制約が強い音楽です。
まず6人バンドならば音は6つまでしか使っては行けません。
っていうか6つの口しか使えません。
強いて言うならそれに加えて手や足を鳴らす程度でしょう。
つまりアカペラは比較的非常にシンプルなものになりやすいのです。
合唱と違って人も少ないのでこれもまたシンプルになりやすい要因の1つです。
多くのパートが存在していてそれらの調和によるオケと少数精鋭のアカペラは一見真逆のものかのようにも見えます。
しかしながら僕は本質は同じだと思うのです。
それぞれのパートの性質を理解した上で個々を適材適所に配置して曲を作り上げる。
アカペラもオケと同じです。
良いアレンジには無断なパートが1つもないのです。
時に休符を歌わせることがあっても必ずそれらはどこかで絡み合って最後にクライマックスの感動を作る上で必要不可欠なパートになってきます。
なんなら下記の動画の最後の最後でなるシンバルもここで鳴るからこそ意味があるのです。
ここでシンバルが無かったり序盤からひっきりなしに鳴り続けていたらこの盛り上がりやクライマックス感は出ません。
1パート1パートの美しさとそれぞれの相関性により描かれる芸術。
これこそアカペラアレンジャーがオケに習うべきものなのでは無いのかなと思いました。
今回はたまたまオケを漁っていたのでオケから学びましたが、もちろん他のジャンルからも学ぶべきことは沢山あると思います。
アカペラと言うのはジャンルではなく奏法であるが故に、アカペラには色んなジャンルの曲のエッセンスが組み込まれていると僕は勝手に思い込んでおります。
もしこの思い込みに共感してくださる方がいらっしゃれば是非一緒に色んな曲の研究をして高め合っていってくれると僕は幸せです。笑
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