先日バンドで新曲をやろうと言う話になり楽譜を作っていたのですが、色々あって曲のキーを決めかねていたのでバンドのLINEで2バージョンのサンプルを作ってメンバーに相談してみました。
曲はB’zのイチブトゼンブ。
今回問題になったのは原曲のキーで行くのかそれともキーを上げるのかと言う話でした。
幸いリードをとれるメンバーが4人も居るので曲の音域はぶっちゃけなんでも良かったのです。その音域に一番あったメンバーにリードを歌ってもらえば良いのですから。男性リードならEminorそして女性リードならGminorにしようと思っていました。
そんな時、1人の後輩からこんなLINEが来たのです。
結構迷いましたが、絶対聞き慣れているせいだと思いますが原調の方が好きです。
二番目だとなんか神聖っぽさになってる気がして…笑
素晴らしい視点ですよね!
実はこの「神聖っぽさ」と言う感性はアレンジ・演奏をしていく上でなによりも大切な感覚になってくると僕は思います。
ギターの弦の音は「ミラレソシミ」であり、Eminorはギターの最低音が一番重く聴かせられる故にポップスでよく使われる調です。この調の調色は「悲しみ」。同調の曲だとTOKIOの宙船等があります。
Eminorはギターと非常に相性の良いキーなのです。そのためイントロでの松本さんのギターが栄えるのではないかと思います。
そしてサビの最後の和音もEmですよね!
サビの最後には「愛し合えるポイントが1つありゃいいのに」という歌詞がありますが、稲葉さんは「私たちが大切な人を思うとき、時間が経つにつれ、ついついあれもこれもと全部を相手に求めてしまいがちですが、最初に愛しいと感じた確固たるポイントさえ忘れなければ、幸せな気持ちでいられるんじゃないでしょうか」とおっしゃっていたそうです。
このEminorと言う和音を元に考えると、「1つありゃ幸せなのに、それが出来ない」と言う暗示にも見られます!
ト短調は、ヴァイオリンの最低弦の開放弦を主音になるのでギターではなくヴァイオリンの曲が多いと言われております。恐らく後輩が「神聖っぽい」と感じたのは、ギターではなくヴァイオリンに最適な調でギターリフを置いたからでしょう。
Gminorの調色は「厳格」さや「美しさ」を表すそうです。そこから考えても「神聖」と感じるのは至極当然のことです。
サビの最後の和音はGminor。これを元に考えると「1つありゃ幸せ」と言う悟りを神秘的に扱っているイメージになります。原曲のモノクロのPVに一筋の光が差し込むイメージです。
吹奏楽だと凄く栄えそうですね!笑
曲をアレンジする上でキーを変える際はそのキーの特色を理解した上で変えた方が良いと僕は思っております。
そのためにも歌詞をしっかりと解釈した上で、その歌詞をそのキーで歌うことでどんなメッセージを曲に混めることが出来るのかしっかりと考えるようにしましょう。自戒も混めて。
そしてそれを行う上で「この調にするとこういうイメージになるな」って感覚を大切にして言って欲しいなと思いました。
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