【アカペラ】合唱曲「時の旅人」の転調が美しい!


転調について
サークルの同期と話しておりまして。

なんで人って簡単にうわずって上転調するのに
いざ下に転調しようと思うと難しいんだろうね

言う話になりました。

そこで下転調の曲について調べていたのですが
調べている際にあの転調の多い合唱曲を思い出しました。

忘れもしません。
僕が生まれて初めて参加した合唱コンクールと言うイベントで
歌うことになった「時の旅人」と言う曲です。

※当時声変わりしていなかった僕は無理矢理ソプラノにされ
それがトラウマとなり歌うことが嫌いになりました。
※それが今では大学4年間アカペラサークルです。
※人生何があるかわかりません・・・。

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主旋律の交代
アカペラ用語で表現するならば
時の旅人は目まぐるしくリードが変わる曲です。

もう少し音楽的に言うと
メロごとに主旋律を歌うパートが異る曲です。

全部で4つに区分できるこの曲は
ヘ長調(F)
ニ短調(Dm)
ニ長調(D)
ト長調(G)
と言う風にきーが移り変わります。

この曲はアルトや男性パートにも
しっかりと主旋律が用意されている
だけでなく
用意された主旋律が特徴的なのもまた印象的です。


主体的に考える曲
転調が多いせいで雰囲気が目まぐるしく変わります。

参考:【アカペラ編曲】曲のキーと曲が持つメッセージに気をつけよう!

1年ほど前に書き記事です。
調には調の色や景色があります。

その調ごとに与えられる印象やもっている特殊効果が違うのです。
だからこそ転調すると曲が描く風景そのものが変わります。

幼い日の遠い過去を寂しい目で見るのか
暖かい成長の軌跡を感じるのか
輝かしい未来を見つめるのか
未来にきたいと不安を膨らませるのか

この曲の、時の旅人の表現は無限大です。

だからこそ全員で主旋律を回して
目まぐるしい転調の中でそれぞれに主体的に表現を考えさせる曲になっており
教育上も素晴らしい設計になっているのです。


さらなる意図〜啓発と教育〜
さらにこの曲は美しいだけでなく
歌うことへの素晴らしさや
歌うことの美しさを学生に伝えようとしているように思えます。

と、言うのも
男声の聴かせ所の「今きみと」の部分は声変わりした
中学生男子たちが一番気持ち良く歌えるところに音が置かれています。

のびのびと”新しい高音”で歌うことが出来ます。

逆に女子にとって「めぐる風、めぐる思いにのって」の部分は
(合唱声で歌うには)少しばかり音程が低すぎる
ように感じます。
だからこそたぶんしっかりと声を出さないと声が通らないはずです。

恥ずかしがらずにのびのびと
恥ずかしがらずに思い切り歌うことを求めているこの楽譜は
非常に歌い手に対しても啓発的であり美しい
です。


まとめ
僕がこの曲を歌ったのは(ソプラノ)中学2年生の秋でした。

転校直後に何故か女子のパートに入れられ死にたくなったのは今でも覚えています。

当時これだけしっかりと音学していれば
楽譜の美しさや楽譜が与えてくれる啓発的な気付きを
得ることが出来たのでしょうが
当時の僕には少しばかり難し過ぎました。

有名な合唱曲ってやっぱり何かしら有名たる理由や
何かしらすかれている理由が隠されているように思えます。

時の旅人は誰かが恥ずかしがったり
カッコつけたりして声を出さなかったら
間違いなく上手く行かない楽譜です。

本番直前に皆が1つになり
全員が思い切り声をだして歌った時に輝く
素晴らしい楽譜だと思いました。

是非僕もこういう洗練された
美しさと沢山の気付き・学びを歌い手の成長に託した楽譜を
作れるようになりたいです。


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