皆さんは演奏中に手抜きしていますか?
「手抜き」というと聴こえは悪いですが、僕はこの手抜きがめちゃくちゃ大事だと思っています。
※一応、補足しておくと、ここでいう手抜きとは「雑に歌う」とか「歌詞を適当に歌う」とか「集中せずに歌う」とかそういうものではなく、「楽をして歌う」とか「抜いて歌う」とかそういう意味です。
僕はこの「手抜き」が練習でも演奏でもめちゃくちゃ大事だと思っているので今日は「手抜き」を世に広めるために記事を書きたいと思います。
一番わかりやすいのがリードの声量やパーカスの連打です。
常にパーカスが100%の全力投球で自分が打てる最高速度で連打をしていたらどうなると思いますか?もちろん彼は早々に力つきて曲の後半、しかも一番大事なラスサビあたりでばててしまうでしょう。よしんば体力が保てたとしても、常に100%で刻んでいては曲にメリハリが出ないため「うおおお!パーカスきたきた!」という感動は無く、「こいつ五月蝿くてうぜぇ!」になってしまいます。
常にリードが100%の声量で歌い続けたらどうなると思いますか?喉をぶっこわしたり、曲からストーリー性が消えたり、お客さんが疲れたり、何一つ良い事が起こる未来が見えないのは僕だけでしょうか?
「手を抜く」というと語弊があるのかも知れませんが、「常に全力」ではなく、通常時は「ほどほどに力を入れた状態」で演奏し、ここぞという決め所で「100%全力投球」をするのが大事なのです。
こっちは文字通り手を抜いてください。
別にバンド練習で常に100%である必要はないと僕は思っています。
別に「コーラスのブレスの位置の確認」をする時に「声量マックスで」「いけるところは全部地声で」「リズムにも神経を使って」「ステージングもバッチリ」な演奏をする必要はないと思います。もちろん本番と同じ状況でブレスの位置を完璧に揃える練習も必要なのでTPO次第ですが、確認する度に全部100%でやる必要って無いです。
常に全ての観点において全力で演奏していては身も心も疲れ果ててしまいます。
今、最低限なにを決めなきゃいけないのか考え、それ以外のところはある程度「手を抜く」のも必要な技術だと僕は思っています。全力は出すべき瞬間のために温存し、常時は50%〜80%ぐらいの力で演奏出来ると練習時の集中力も体力も長持ちするのではないでしょうか?
この「手を抜く」技術は社会に出て物凄く役に立ちます。
毎日の業務を100%でこなしていては、緊急事態に陥った時にそれ以上の力は出ません。よしんば火事場の馬鹿力で200%の力を出したとしても貯金が無いのでその後倒れてしまう未来しか見えません。「いつもは50%!ここぞという決め所で150%の力!」という働き方が出来ると今の自分の実力ではどうしようもない仕事に直面した際や予期せぬ緊急事態においても落ち着いて対処することが出来るようになります。
アカペラも同じです。
100%の力をホイホイ出すのではなく、ここぞと言う時に限界突破が出来るように普段は少し力を温存しておくと何か不測の事態や実力以上のものが求められるケースにも対応できるのでは無いでしょうか?なにより、朝から晩まで練習時間ずっと全力で歌っていては、身体を壊してしまいかねませんしね!
常に100%ではなく、上手く力を抜けるようになると、社会に出た後の練習にもなるかと思います!
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