リズムを作ります!!!
ただ正確にはスキャット自体がリズムを作ると言うよりは
そのスキャットによって引き出される言語の特性がリズムを作っているわけで
コーラスのスキャットはリズムを作るための言葉の力を引き出す秘密の鍵なのです。
スキャットに拘る事は大切ですしスキャットを選ぶ事も大切ですが
そのスキャットの根底にあるものについて考える機会になればと思い記事を書いております。
怖いのでもう一度お断りしておきます。
スキャットはリズムを作ります!
でもスキャットそのものはリズムを作りません!
#どっちやねん…
リズムを作るのはスキャットにより引き出される言葉の力です!
さてさて。
それではhiAの音で”うー”と4拍伸ばしてみてください。
そうしたら次にhiAで今度は”あー”と4拍のばしてみてください。
恐らく多くの方が”あー”って歌った時の方が
声量が大きくなったのではないかと思います。
それではこのベースリフを“Dm”と”Do”の2通りで歌ってみてください。
より減衰したのは前者なのではないでしょうか?
よりリズムを作りやすかったのは前者なのではないでしょうか?
そうなんです。
スキャットは発音の特性を利用して奏者に“歌わせる”ためのものなのです。
「ここは”あ母音”だから盛り上がろうね!」と
言うまでもなく人は「う」と言うよりも「あ」と言う時の方が
勢いのある実声が出るものです。
逆に「あ」と言うよりも「う」と言った方が
綺麗な裏声がでるものです。
「う」と言うよりも「とぅ」と言った方が音を短く切りやすいものです。
アレンジャーはこの言葉の特性を利用して
巧みに奏者に自分が意図した通りの歌わせ方をしています。
一見スキャット自体がリズムを作っているように見えますが
そのスキャットを歌うことで“そうなりやすいだけ”なのです。
皆さん「プール」と発音してみてください。
それでは今の発音を忘れないうちに“Pool”と発音してみてください。
多くの方が英語で“Pool”と言った時の方が
口の中の空間が広がったのではないでしょうか?
これは英語の母音の特性故です。
つまり。
同じスキャットを歌ってもその人の言語のルーツによって
スキャットが曲にもたらす効果って若干異なるんですよね!
一見スキャットがリズムを作っているように見えますが
リズムを作っているのはスキャットではなく
あなた自身の発音でありスキャットと言う高尚なものではなく
もっと曖昧とした“言語上の特性”とも言えるのです。
その“特性”を巧みに引き出すのが“スキャット”です。
「ここは”ah-“だから盛り上がるよね!」ではなく
「”ah-“って言うと”oo”って言うより後押しになる?」
「”ah-“って言うと”oo”の時より喉声になりやすい?」
などなど。
その発音にどういう特性があって
それがどんな言葉の特性を巻き起こすのか深堀してみると
スキャットの表面だけではなくその裏側に隠れたアレンジャーの真意と
言葉の美しさが見えてくるのではないでしょうか?
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