僕はアカペラ編曲は漫画と同じだと思っています。
起承転結の「結」を魅せるためにゴールから逆算して作っていくのが大事です。
それぞれのフレーズが次のフレーズにどのような影響を与えるのか考え、しっかりと次のフレーズを意識しながら音を組み立てていくのが大切です。
しかし蓋を開けてみると、なかなか「結」につながるアレンジって存在しません。
なので今日は我流で失敗せず、起承転結のある楽譜を作るために大切なことを紹介します。
「初編曲です!」
と言いながら笑顔で楽譜を見せてくれる人に限って1つ大きな失敗をしています。
「初めてであるにもかかわらずいきなりフル尺で楽譜を作ってしまう」という失敗です。
初編曲で1曲まるまるフルで編曲するというのは、はじめて出版社に漫画を持ち込むのにワンピース並みの超大作を書き上げて持っていくようなものです。
ワンピースぐらい洗練されたストーリーなら良いのですが、当然はじめて漫画を描いているので作画やストーリーの魅せ方はボロボロです。
例え頭の中では素晴らしい起承転結が出来ていても楽譜にそれが現れていないのです。
本日の教訓、
「最初はワンフレーズ編曲からはじめよ!」
です。
コードサイトを見ながら、
コードサイトに記載されたままのコードでuhとかahとか適当なハモりを入れただけではアレンジとは到底呼べません
が、
10000歩ぐらい譲ってそれも編曲と呼びましょう。
じゃあその時どんな順番で音を積みますか?
もっと噛み砕きましょう。
C(ドミソ)という和音があった時にどういう風に音を配置しますか?
コーラスは上からソドミですか?
それとも上からミドソですか?
ベースの音は何にしますか?
ずっとドですか?経過音を入れますか?
次の和音がG(ソシレ)だったらどうしますか?
トップはソでステイしますか?
トップをミシと大きく動かして見ますか?
ベースは敢えてソでステイしますか?
次のコードは何にしましょうか?
そもそもGのコードを採用して良いんですか?
たったワンフレーズ編曲するだけでも考えることって死ぬほどたくさんあるんですよ!
これだけ考えるべきことがあるのに、いきなり4分とか5分も尺がある楽譜を作ろうとしたらそれは途中で整合性がとれなくなって破綻しますよ。
例えば以下のような楽譜があったとします。
参考:【アカペラ】コードレビューのすゝめ!〜編曲する前にコードを見てもらおう〜
例えばこの4小節目の音。
参考記事にも記載してありますが、ここが7thだと物凄くダサいのです。
前半で置いた6thが浮いてしまい、せっかくのおしゃれ和音がただのミスに聞こえてしまいます。
そこでdimを使うことで以下のような効果が期待できます。
- 次の音がEmになるのでⅥmになり6の音をpushできる
- 明らかに原曲のコード進行から外れるので雰囲気を変えることができる
- サビのフレーズの前半の最高音がBでまとまるので盛り上がりすぎず落ちサビに最適な構成になる
などなど和音1つとってもいろんなことを考えているわけです。
オススメの王道の編曲練習方法です。
①まずはフレーズ単位で起承転結を組み立てられるようになる
②次にハモネプ尺(1:30程度)で起承転結を組み立てられるようになる
③2番をカットして起承転結を組み立てられるようになる
④1曲通して起承転結を組み立てることに挑戦してみる
と、良いのでは無いかと思います。
初めて泳ぐ人に1000M泳げと言っても、仮に泳ぎ切れたとしても美しく泳げませんよね。
途中でフォームやペースが崩れてしまうことが容易に想像できます。
編曲もそれと同じです!
まずは短い尺から。
それが出来るようになったら徐々に尺を伸ばしていくことが大事ですぞ。
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