年始に相方が僕の部屋で採譜している時のことでした。
「ここの和音がわからん!」
と僕に原曲を聴かせてくれました。
うむ!確かにわからん!
ちょっと本腰を入れてイヤホンを耳に突っ込んで和音を聴音。
よくよく聴いてみると何の変哲も無い「ラド#ソ#」からの「ラド#ソ」のAM7からのA7だったのですが、ここで事件が勃発しました。
僕がキーボードでAM7->A7を弾くなり相方が不服そうな顔をしました。
「私の耳にはこれはドにしか聞こえない!」
実際になっている音をシャドーウィングしてみるとこんな感じ。
うーむ…。
言わんとしていることはわかるぞ…。
さて!!!
みなさんはこの音をなんて表現しますか?笑
今回は確かキーがDmajorとかだったのでC#と僕は判断したのですが、確かにこれは「ド」にも聴こえます。
その場では簡単にキーの問題で片付けてしまいましたが、僕はこれはかなり面白い問題だと思うのです。
楽譜における音は限られています。
当然ながら「ド」と「ド#」の間にも音は存在します。
そしてその1/4を演奏するジャンル・楽器だってあります。
でも楽譜に起こすためだけに「ド」か「ド#」に無理やり四捨五入するというこの作業。
アカペラにも、ギターにも、バイオリンにも、リコーダーにも存在したこの微妙な音程の音。
僕は終日こいつについて考えてしまいました。
この1/4は多くの人が気持ち悪いと感じる音です。
聴き慣れていないからでしょうか。
理由はハッキリとはわかっていません。
それでもaiko音痴説が提唱されるように、聴き慣れない人からしてみるとこの1/4の音は「外しているように聞こえる音」みたいです。
TRY-TONEさんの演奏なんか聴いていると、バンド全体で曲を通してこの1/4の場所で歌っていたりします。
僕はこの絶妙なピッチコントロールや全体で和音を作り上げていく相対音感の塊のような演奏が好きですが、もしかすると1/4の音を聴き慣れていない人からしたら気持ち悪い演奏なのかもしれません。
「楽譜通りの正確な音ではなく、バンドにとって正解の音を歌え!」
なんて言われていますが、「正解の音」なんて言い方をする時点で、もしかすると私たちは12音階の奴隷となっているのかもしれませんね。
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